秋季キャンプ地の高知で森脇監督(右)を直撃した植村特別記者。名物・鰹のたたきで使用する藁を焼くポーズ、似合うてまっせ(撮影・中島信生)【拡大】
注目の人物や話題に鬼筆記者こと、植村徹也サンケイスポーツ代表補佐兼特別記者がズバリと切り込む「徹也の部屋」。第2回はオリックスの森脇浩司監督(54)です。ソフトバンクと激しく優勝を争い、惜しくも2位となった今季。その差とは何か、そしてチームを一丸とさせた指揮官の信念とは-。鬼筆も感服する熱いトークを、どうぞ。
植村 今季は2位でソフトバンクより2勝多かった。勝率の差はわずか2厘。どんな差があったと思いますか?
森脇 僕がよく使う言葉に「微差は大差」があります。それが当てはまるシーズン。ただ、ものはとらえ方。大差を微差にしたシーズンだったのかもしれない。
植村 開幕前の予想は低かった。そう考えると大差が微差になったとも。ただ、その差は戦力なのか、意識なのか。
森脇 両方と思います。ただ戦力の差は変えられなくても意識の差は変えられる。そこは最大限トライする。いくらヒットを打たれてもホームに返さないとか、少ないヒットで取るとか。それを確率よくできるようになれば大差を微差にできる。できない理由を考えるより出来る理由を考えるべきと思います。
植村 監督が就任後、全員の気持ちが一つの方向にいっているように見えた。団結こそ森脇イズム。私も管理職ですが、部下を束ねて同じ方向に向かわすコツは?
森脇 固定観念を捨てること、大いに変化を求めること。そして、どこに向いて一歩を踏み出すのかだけは、「ここだ」というものが必要ですよね。本当はここに踏み出さなければならないのに、右や左にそれては無駄な時間が過ぎてしまう。「ここに向けて踏み出すんだ!」と。一足踏み出せた人もいれば半足しか出せなかった人もいる。でも僕は(踏み出すという)足並みがそろったことが非常に大きく、尊いと思います。それに人間には、常に承認願望が存在する。起こした変化に対し、認めることが必要だと思います。