サブカテゴリー

PR:

GDP2季連続マイナス…アベノミクス失敗隠し解散

山口代表と言葉を交わす安倍首相
公明党結党50周年の記念パーティーで、あいさつを終え同党の山口代表(左)と言葉を交わす安倍首相
Photo By 共同 

 安倍晋三首相は18日、衆院解散を表明する。17日に発表された7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値が予想を大幅に下回ったため、消費税10%への再増税を先送りし、19日に衆院を解散。衆院選を12月2日公示―14日投開票の日程で実施し、経済対策などを公約に国民に信を問う考え。目玉政策・アベノミクスの失敗隠しともとれ、各方面に困惑が広がっている。

 安倍首相は17日夕、一連の外交日程を終え帰国し、公明党の山口那津男代表と都内のホテルで会談。消費税8%から10%への再増税を延期した上で、衆院解散・総選挙を行う方針に理解を求めた。18日午後、解散を表明する。

 内閣府はこの日、政府が再増税の判断材料の一つとしてきた7〜9月期のGDP速報値を発表。物価変動を除く実質で前期比0・4%減で、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で1・6%減と2四半期連続のマイナス成長となった。消費税増税や夏場の天候不順で自動車や家電製品など個人消費の不振が続いたほか、企業の設備投資も振るわず景気の低迷が鮮明となった。

 プラス転換を見込んでいた政府にとっては、予想より大幅に悪い結果。甘利明経済再生担当相は記者会見で、4月の8%への増税が及ぼした影響に関して「デフレマインドが払拭(ふっしょく)されていない中で、消費税を上げることのインパクトが想定より大きいということだ」と説明。再引き上げに関しては「再増税で景気が失速し、デフレに戻ってはいけない。そこを首相中心に判断する」と述べ、慎重な姿勢を示した。

 あくまで方針転換を強調するが、景気が既に後退局面に入ったとの見方もある。景気の失速は、これまでのアベノミクスが失敗したことを示しており、民主党の海江田万里代表は株高を念頭に「アベノミクスは幻想を振りまいている。株は上がる時もあれば、下がる時もある」と指摘。維新の党の江田憲司代表は「想定外のマイナス成長だ。最大の要因は消費税増税で、GDPの6割を占める消費を冷え込ませた」とコメント。共産党の山下芳生書記局長は「中小企業では円安倒産が広がっている。物価上昇による生活苦が庶民に押しつけられた。消費税増税とアベノミクスが招いた“安倍不況”だ」と非難した。

 10%への再増税は予定した15年10月から、17年4月へと延期される見通し。消費増税が見送られれば、自動車取得税の廃止も先送りされる可能性もある。

 ▽国内総生産(GDP) 一定期間に国内でつくり出されたモノやサービスの付加価値の合計額。景気動向や経済規模をみる代表的な指標で、内閣府が3カ月ごとに公表する。個人消費や企業の設備投資、公共投資などの「内需」と、輸出から輸入を差し引いた「外需」で構成。物価変動の影響を除いた実質GDPと、そのままの金額で計算した名目GDPがあり、これらの増減率が経済成長率と呼ばれる。

[ 2014年11月18日 05:30 ]

Webtools & Bookmarks

PR

注目アイテム

ニュース

注目アイテム

スポニチwikiランキング

      人気ニュースランキング

        ※集計期間:

        » 続き

        【楽天】オススメアイテム
        クイックアクセス
        スペシャルコンテンツ