U理論はエンジニアの学び方を変えられるか?――中土井僚×西尾泰和、過去の枠組みにとらわれないイノベーションのプロセスを考える

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U理論、と聞いて「ん?! UFOか何かについての理論?」と思う人もいるでしょう。いやいや、そんなSFチックなものではありません。この理論は、マサチューセッツ工科大学のオットー・シャーマー博士が提唱する「過去の延長線上にはないイノベーションを起こすための原理と実践手法を明示した理論」なのです。

U理論を日本に初めて紹介したのが、『人と組織の問題を劇的に解決する U理論入門』(PHP研究所)の著書も持つ、社団法人プレゼンシングインスティチュートコミュニティジャパン理事の中土井僚氏。その中土井氏に対して、サイボウズ・ラボのエンジニアで、日本最年少で博士号を取得した俊英・西尾泰和が「U理論をエンジニアがどのように役立てられるか?」という観点から迫るのが今回の対談です。 前編ではまずU理論がどんなもので、イノベーションが起きるまでにはどんなプロセスを辿るのかを、具体的なシーンも交えながら解説していきます。これを読めば、あなたもイノベーションを起こすためのヒントをつかめるかも?!

過去の延長線上にないものをどう生み出すか?

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中土井僚 同志社大学法学部政治学科卒業後、アンダーセンコンサルティング(現・アクセンチュア)に入社。コンサルタントとしてITを活用した業務プロセス改革や顧客戦略プロジェクトなどの組織・人材設計を行う。その後、組織・人材開発業界に転身し、2005年独立。現在、組織変革ファシリテーターとして、U理論をベースにしたマインドセット転換による人と組織の永続的な行動変容を支援する“組織進化プロセスコンサルティング”を行う。リーダーシップ・プロデューサーとして「自分らしさとリーダーシップの統合と、共創造(コ・クリエイション)の実現」をテーマに、U理論をベースとしたマインドセット転換によるその人にあったあり方(Being)のシフトと影響力の飛躍的な拡大の支援を行う。また、リーダーシップ・プロデュースの一環として組織変革ファシリテーターとしても活動し、過去に手掛けた組織変革プロジェクトは50社以上に及ぶ。オーセンティックワークス株式会社代表取締役。社団法人プレゼンシングインスティチュートコミュニティジャパン理事。 著作に『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』がある

イノベーションを生むプロセスは「U」の字を描く

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オープンソースにはU理論に近い発想がある

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西尾泰和 サイボウズ・ラボのエンジニア。個人やチームの生産性をどうすれば高めることができるかを研究し、未来のグループウェアの研究開発をしている。プログラミング言語の多様性と進化にも強い関心があり、昨年出版した「コーディングを支える技術」はベストセラー、重版を経て、先日韓国語版が出版された。

イノベーションまでの「4つの意識のレイヤー」とは?

IMG_4275.jpg 後編に続く(11月25日(火)公開予定です。)

文:荒濱一/撮影:橋本直己/編集:安藤陽介

<編集部より> 今後『続・エンジニアの学び方』シリーズでは、西尾によるU理論解説の掲載を予定しています。本対談についての疑問点は西尾まで、お気軽にお寄せください