原発ADR:福島市の大波住民9割が申し立て

毎日新聞 2014年11月18日 11時11分

 東京電力福島第1原発事故による放射線被ばくの健康不安が解消されていないとして、福島市大波地区の住民の9割に当たる998人(333世帯)が18日、避難区域の住民に支払われるのと同額の1人月10万円の精神的賠償を求め、国の原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介手続き(原発ADR)を申し立てた。

 福島市内の住民が集団で避難区域と同等の賠償を求めて申し立てたのは初めて。避難区域外での同様の集団申し立ては既に、同県相馬市や川俣町などの住民が行っており、18日には同県伊達市霊山町雪内・谷津両地区の243人(76世帯)も申し立てた。

 大波地区は福島第1原発から北西約60キロ。代理人の弁護士によると、同地区は放射線量が市内では比較的高く、避難区域と同等の場所もある。住民には既に、国の指針に基づき自主避難区域として大人1人につき12万円の賠償が支払われたが、住民らは除染後も被ばくによる健康不安は解消されていないと主張。原発事故から和解成立日まで月10万円の賠償を請求している。【土江洋範】

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