俳優の高倉健さん死去11月18日 12時05分
昭和の映画の最盛期を支えた看板スターで、寡黙な男性を演じて、日本を代表する俳優として国際的に活躍した高倉健さんが今月10日、悪性リンパ腫のため東京都内の病院で亡くなりました。
83歳でした。
高倉さんは福岡県中間市に生まれ、明治大学を卒業したあと東映のニューフェイスにスカウトされ昭和31年に俳優としてデビューしました。
昭和40年代、「網走番外地」や「昭和残侠伝」などのシリーズで東映の任侠路線のスターとして爆発的な人気を得ました。
また映画の主題歌をみずから歌い、「網走番外地」や「唐獅子牡丹」は大ヒットしました。
昭和51年に東映を退社したあと「幸福の黄色いハンカチ」で不器用な生き方しかできない刑務所帰りの男を演じ、国内のさまざまな映画賞で主演男優賞を受賞しました。
硬派でシリアスな演技を得意としているほか、コマーシャルで使われた「不器用ですから」のセリフが代名詞的な存在になるなど、謙虚な人柄が多くの人に共感を与え、男女の別や世代を超えて人気を博しました。
さらに「ザ・ヤクザ」や「ブラックレイン」などハリウッドの映画にも出演したほか、平成11年に公開された「鉄道員」でモントリオール映画祭の主演男優賞を受賞するなど国際的に知名度の高い日本を代表するスターとしても活躍してきました。
こうした功績が評価され、平成10年に紫綬褒章を受章したほか平成18年には文化功労者、そして平成25年に文化勲章を受章しています。
おととしは降旗康男監督の映画「あなたへ」で、6年ぶりに映画への出演を果たすなど、久しぶりに公の場での活動が見られましたが、今月10日、午前3時49分、東京都内の病院で悪性リンパ腫のため、亡くなりました。