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ここに注目! 「沖縄県知事選・辺野古移設反対派勝利の影響は」2014年11月17日 (月)
安達 宜正 解説委員
アメリカ軍普天間基地の移設問題を最大の争点として行われた、沖縄県知事選挙は共産党、生活の党、社民党、地域政党の沖縄社会大衆党が支援する前那覇市長の翁長雄志氏が現職で、自民党と次世代の党が推薦した仲井真弘多氏らを抑えて、当選しました。
アナ)この結果をどう見ますか
安達)翁長候補の圧勝です。およそ10万票の大差で、得票率も50%を超えています。私も選挙期間中、沖縄に取材に入り、翁長、仲井真両陣営に取材しましたが、双方ともに「埋めたて承認を問う選挙になっている」と話していました。仲井真知事の埋め立て承認手続きへの反発が保守、革新、無党派の枠を超えて、広がったと言えます。県民は仲井真さんの公約違反と受け止めたのでしょう。
アナ)県民の反発が強かったと。
安達)仲井真さんは普天間基地の危険性をまず、排除することが先決、そのための埋め立て承認と訴えていました。ただ、前回の選挙では「県内移設は難しい」と言っていしたから。翁長さんは仲井真さんの選挙対策本部長も務めたこともあり、自民党と連立を組む、公明党が自主投票としたのも、仲井真さんへの反発からです。NHKの出口調査では公明党支持者の4割が翁長さんに流れています。
アナ)普天間基地の移設問題への影響をどう見ますか
安達)影響は大きいでしょう。政府は沖縄県の承認を得ており、法的な手続きは整っている。辺野古移設は粛々と進めるという立場ですが、県外移設派が大差で勝ちましたから。
翁長さんは承認手続きが適正に行われたか、まず検証し、環境保全などの点で問題があれば、承認撤回もありうるとしています。ジュゴンへの影響も懸念されています。移設先・名護市の稲嶺市長も反対しています。今度の結果で少なくとも一直線で辺野古移設が進むことはなくなったと言えるでしょう。
アナ)衆議院の解散・総選挙も取りざたされています。影響をどうみますか
安達)ある野党幹部は解散が取りざたされている背景の一つに、この問題があると指摘します。政府・自民党には安全保障政策は日本全体の問題だから、総選挙の争点として、問えばいいと考えているのではないかという見方です。
アナ)衆議院選挙の争点にもとなるということですか
安達)安倍総理大臣はアベノミクスや消費税率の引き上げ先送りを争点に解散の決意を固めたようですが、沖縄の基地問題、ひいては安倍政権の安全保障政策の是非も、大事な争点となります。