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【日中首脳会談】
「『日中は明日にでも戦争になる』欧米にそう思われてもいいのか」…習氏を会談にかりたてた福田元首相の老練外交術
北京のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて、安倍晋三首相と中国の習近平国家主席との初の日中首脳会談が10日、実現した。通訳を介してもわずか25分、習氏の冒頭の「仏頂面」が大きな印象に残る会談ではあったが、「会うことに意義がある」といわれただけに、成果はあったという評価になるのだろう。
今年になって、さまざまなルートで日中間の接触は行われたが、日中首脳会談の実現に向けて大きくかかわったのは、福田康夫元首相だ。福田氏と安倍首相は、同じ派閥(清和政策研究会)にいたにもかかわらず「水と油」の関係といわれていた。福田氏が、安倍首相を手助けするような行為に出た理由は何か。
今年7月下旬、福田氏は、中国政府が主導する「ボアオ(博鰲)アジアフォーラム」の理事長として訪中し、習氏と会談することが決まった。その直前、福田氏は数回にわたり安倍首相と電話などを通じて意見交換した。
北京に乗り込んだ福田氏は、習氏に次の点を強調したという。