松本山雅FCのサポーターとなったのはJFL時代の2010年。Jリーグが開幕した1993年から、中学校のサッカー部に入部した長男と一緒にJリーグを観戦していたため地元サッカーチームの応援にも自然と熱が入った。
同年は旅行業・貸切バス業などを行うトラビスジャパン(箕輪町)がオフィシャルスポンサーとなり、JTBとの共同でアウェイ・オフィシャルツアーを開始。今年はホーム試合でも自家用車専用駐車場―アルウィン間を送迎するシャトルバスを毎回10〜15台運行した。
今年の開幕戦、東京・調布市での東京ヴェルディ戦には約8000人の山雅サポーターが遠征。同社は過去最多の1064人を約25台のバスで搬送した。アウェー戦は乗車人数の波が大きいが、同社は欠かさず運行。5月の大分トリニータ戦(大分市)では9人の参加だったが、赤字を承知で大阪―門司間のフェリーを使った3日間のバスツアーを催行。サポーターからは「よくやってくれた」と感謝された。
社内にも山雅サポーターが増え、3年前に後援会支部を結成。昨年は上下伊那地方をエリアとする山雅後援会南信州支部を創設し支部長を務める。辰野町から飯田市までの広い範囲で山雅の知名度を高め、サポーターを増やす取り組みに力を入れる。昨年は辰野ほたる祭りに選手と大月弘士社長を招待し、トークショーや山雅グッズ販売を実施。駒ケ根市のベルシャインでもイベントを行った。
今シーズンはJ2で2位となる活躍で松本山雅FCへの関心は高まった。それでも「上下伊那はまだスポンサーが少ない。知り合いの社長に呼び掛け、約5社が出資してくれた」という。「ホームで応援するファンで後援会に入っていない人も多い。J1昇格を機にサポーターを増やしたい」。伊那谷をまとめるリーダーとして、来季に向けて意気込む。