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2014年11月18日
本日(11月17日)朝方に発表された2014年7~9月期GDPは、実質前期比で0.4%(年率1.6%)のマイナス成長となりました。直前まで年率2.0%前後のプラスと予想されていたので、驚愕すべき結果だったことになります。
項目別では、民間最終消費支出が前期比0.4%のプラス、民間設備投資が0.2%のマイナス、民間住宅投資が6.7%の大幅マイナスとなりました。とくに民間最終消費支出のプラス幅が予想を大きく下回りました。
消費税が8%に引き上げられた直後の2014年4~6月期GDPは、実質前期比1.9%(年率7.3%)もの大幅マイナスで、項目別では民間最終消費支出が前期比5.0%のマイナス、民間設備投資が4.8%のマイナス、民間住宅投資が10.0%ものマイナスでした。
つまり7~9月期は、大幅マイナスだった4~6月期ほどではないもの、2期連続のマイナス成長となりました。要するに4月に消費税率を8%に引き上げてからの2四半期(半年間)は、見事にマイナス成長だったことになります。
政府の2014年度の実質成長率の見通しは1.2%なので、残る2四半期はそれぞれ前期比3.1%の成長を続ける必要があります。
とても現実的な数字ではなく、2014年度の実質成長率はゼロ近辺あるいはマイナス成長の可能性がでてきました。これが4月に消費税を5%から8%へ引き上げた結果です。
本来は2015年10月からさらに消費税を10%に引き上げることになっていたのですが、これを2017年4月まで延期するために衆議院解散・総選挙で国民の信を問うことになります。
ところで7~9月期の名目GDPは前期比0.8%(年率3.0%)のマイナスなので、実質よりマイナス幅が大きいことになります。足元では物価が上昇しているはずなので違和感があります。
名目と実質を調整する7~9月期GDPデフレーターが前期比0.3%のマイナスだったことになります。GDPデフレーターとは、海外要因を除いた国内経済活動だけの価格変化なので、7~9月期は4~6月期に比べて国内経済活動に限れば物価が下落していたことになります。
ところが実感に最も近い「持家帰属家賃を除いた7~9月期の消費者物価指数」は前年比で4.0%も上昇しています。この中には消費増税分が2.0%含まれており、前年比と前期比では比較ができませんが、それでも実感では物価が上昇していることになります。
つまり日本の物価上昇とは、全く国内の付加価値増加に結びつかない「消費増税分と悪い物価上昇分」ばかりであることが、ここからもわかります。
本日(11月17日)の日経平均は、さすがに517円安の16973円(終値)となりました。
直近の安値が10月17日の14532円で、そこから10月31日の追加量的緩和と、先週初めから現実的となった消費増税延期のための解散・総選挙予想で、先週末(11月14日)には17490円まで上昇していました。
わずか1か月で2958円(20.3%)も上昇していたことになります。
また直近の円高は10月15日の105.94円で、先週末は116.30円(ともにNY終値)だったので、為替市場でも円が1か月で約10円も円安になっていたことになります。
7~9月期のGDPでとりあえず大幅安となった日経平均ですが、これで消費増税が延期される可能性は高まったため、このまま下落を続けることはなさそうです。
問題は消費増税決定を前提として追加量的緩和に踏み切ってしまった日銀の対応です。このまま追加量的緩和を続けるなら(そうせざるを得ないはずですが)円安傾向も持続することになります。
明日からは株式・為替・国債市場を再点検していきます。
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コメント
コクミンは消費税増税で国内で金を落とさず、
円安で海外で金を落とさず。
以上バンザイアホミクス。
円安で海外で金を落とさず。
以上バンザイアホミクス。
エコノミストも野球のバッターみたいにテレビ出演する時は、今までの予測が当たったかどうか成績開示していただきたいものです。
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