ふっしーの新刊ねほりはほり
2014年11月18日(火) 藤野 英人

三浦展さん【後編】 「ビルの空室を埋めるよりも、10年先、20年先に街が元気でいるためにどうするべきか考えないといけない」

『日本の地価が3分の1になる!』著者に聞く

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[左]三浦展さん、[右]藤野英人さん
カリスマファンドマネジャー・藤野英人氏が注目の新刊の著者と対談し、企画と執筆の裏側に切り込む連載「ふっしーの新刊ねほりはほり」。第三弾は『日本の地価が3分の1になる!』の三浦展さん。「街のおじいちゃん」と「地主支配国家」をもとに三浦氏が考える、これからの街のあり方とは---。<構成:田中裕子>

【前編】はこちらをご覧ください。

逃げ切ろうとする“おじいちゃん”たち

三浦 これからの街は、もう、ただ消費する場所を作るだけでは伸びません。吉祥寺がいい例です。なかなか街として客足が伸びないから、ドン・キホーテを建ててみた。けれど、ただドンキが好きだという人は、吉祥寺全体にさほどお金は落とさない。別の街にショッピングモールができれば、もう吉祥寺には来なくなる。

藤野 客層が違うから、カスタマーにはならないんですよね。この本の中にも、吉祥寺で「サイゼリヤはどこだ、しまむらはどこだ」と探している女子高生の姿が書かれていました。

三浦 「ここをどこだと思ってるんだ?」って話ですよ(笑)。吉祥寺がまた魅力的な街に戻るには、大きい建物ばっかり増やすんじゃなくて、「面白い仕事」があるからこの街で働こう、という人を増やさないといけないんです。起業して吉祥寺の空き家をオフィスにしよう、という人を。

藤野 ほほう。街づくりには「面白い仕事」、ですか。意外です。

三浦 アクティブな人っていうのは、昔はアクティブに消費していたんです。でも今は、消費へのエネルギーが新しい仕事を創ることに向いている。

藤野 なるほど、なるほど。「アクティブなエネルギー」が消費から創造に向いているというのはたしかに肌で感じます。
 

日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機』
著者= 三浦展、麗澤大学 清水千弘研究室
光文社新書 / 定価950円(税込み)

◎内容紹介◎

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