【前編】はこちらをご覧ください。
逃げ切ろうとする“おじいちゃん”たち
三浦 これからの街は、もう、ただ消費する場所を作るだけでは伸びません。吉祥寺がいい例です。なかなか街として客足が伸びないから、ドン・キホーテを建ててみた。けれど、ただドンキが好きだという人は、吉祥寺全体にさほどお金は落とさない。別の街にショッピングモールができれば、もう吉祥寺には来なくなる。
藤野 客層が違うから、カスタマーにはならないんですよね。この本の中にも、吉祥寺で「サイゼリヤはどこだ、しまむらはどこだ」と探している女子高生の姿が書かれていました。
三浦 「ここをどこだと思ってるんだ?」って話ですよ(笑)。吉祥寺がまた魅力的な街に戻るには、大きい建物ばっかり増やすんじゃなくて、「面白い仕事」があるからこの街で働こう、という人を増やさないといけないんです。起業して吉祥寺の空き家をオフィスにしよう、という人を。
藤野 ほほう。街づくりには「面白い仕事」、ですか。意外です。
三浦 アクティブな人っていうのは、昔はアクティブに消費していたんです。でも今は、消費へのエネルギーが新しい仕事を創ることに向いている。
藤野 なるほど、なるほど。「アクティブなエネルギー」が消費から創造に向いているというのはたしかに肌で感じます。
著者= 三浦展、麗澤大学 清水千弘研究室
光文社新書 / 定価950円(税込み)
◎内容紹介◎
杉並区71%減、渋谷区70%減、新宿区51%減、横浜市66%減、大阪市61%減、仙台市68%減、名古屋市60%減、福岡市67%減・・・人口減少に歯止めがかからず、消滅の可能性がある都市が指摘されるなど、日本衰退の危機感は増す一方。生産年齢人口(15~64歳)が減り、経済も下向き、住宅地価格も下がる。あなたの家は大丈夫? 全国1730市区町村の「現役世代負担率」(20~64歳に対する65歳以上の割合)から予測する、少子高齢社会・驚愕のシナリオ!
⇒本を購入する AMAZONはこちら / 楽天ブックスはこちら- 三浦展さん【後編】 「ビルの空室を埋めるよりも、10年先、20年先に街が元気でいるためにどうするべきか考えないといけない」 (2014.11.18)
- 三浦展さん【前編】 「これからは、土地をどう所有しているかではなく『どう利用しているか』の価値を計らないといけない」 (2014.11.17)
- 田端信太郎さん【後編】 「受け手を強権的に動かそうとしない『ポスト広告枠時代』で生き残るには?」 (2014.09.24)
- 田端信太郎さん【前編】 「『じゃんじゃん広告費を使えば大丈夫』という時代は、もう終わりました」 (2014.09.22)
- 磯崎哲也さん【後編】 「なぜベンチャー世界には『じじいっぽい人』がいないのか?」 (2014.09.07)
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町田徹「ニュースの深層」「関西電力」が「40年超老朽原発」運転延長へ 経産省はなぜこの暴挙を止めないのか (2014.11.18)
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