是枝裕和監督作品『誰も知らない』で第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞し、14歳で華々しいデビューを飾った柳楽優弥(24)。その後、俳優業を一時中断するまで追いつめられたこともあったが、完全復活したと言えるのではないか。柳楽自身も「いろいろなことが自分の中で一歩踏み出せたような気がします」と変化を実感している。
昨年、映画『許されざる者』『ゆるせない、逢いたい』『爆心 長崎の空』の3作品が立て続けに公開となり、今年は映画『闇金ウシジマくんPart2』『クローズEXPLODE』、『最後の命』(公開中)、舞台『金閣寺』、ドラマ『アオイホノオ』(テレビ東京)では民放連続ドラマに初主演、『信長協奏曲』(フジテレビ系)では「第1話だけなんてもったいない!」とネットで話題になるなど、役によってガラリと印象が変わって見える演技力の高さに絶賛の声が巻き起こっている。
今年、出演した作品の中でも、主演を務めた『アオイホノオ』は、柳楽にとって特別な作品となった。
漫画家・島本和彦氏が自身の大学時代をベースに描いた同名漫画(小学館『ゲッサン』連載中)をドラマ化。1980年代初頭、『タッチ』『ガンダム』などの漫画・アニメの名作に憧れ、同時に嫉妬していた漫画家志望の島本氏や、彼を取り巻く友人やライバルたちをモデルにした若者たちの挫折、葛藤、嫉妬、挑戦を描いた青春群像劇。脚本と監督は「勇者ヨシヒコ」シリーズや映画『HK/変態仮面』などで知られる福田雄一氏が務めた。
同ドラマのBlu-ray&DVD BOX(11月19日発売)のプロモーションでORICON STYLEの取材に応じた柳楽は、「最終回の放送が終わった後、福田雄一監督に『アオイホノオをきかっけにいろいろなことが変わった。自分の中で一歩踏み出せたような気がします』とメールしたんですけど、まさにそういう気持ちです」と心境の変化を話してくれた。
柳楽は、同ドラマの主人公、芸大生・焔(ほのお)モユル役を漫画から抜け出たように熱演。コメディー作品も同作が初挑戦だった。「初の熱血的かつユニークな役。こういう役をやりたかった。いつも暗い役が多いから(笑)、時には楽しい役をやらないと気が滅入っちゃう。始まる前は自分にできるか怖くて仕方なかったですけど、やってみたら面白かった。スケジュールも、もう俳優やめますっていうほどのキツさではなく、自分といい感じで戦えるキツさでした」と充実した表情を見せた。
同ドラマには『新世紀エヴァンゲリオン』などの作品で知られる庵野秀明氏らが実名で登場。若き日の庵野ヒデアキ(安田顕)の才能に、嫉妬と羨望のまなざしを送っていたモユルだが、「最終回、庵野君がモユルに『サインしてくれ』と頼むシーンがあるんですが、これ、実話なんですって。庵野さんはいまだにそのサインをした雑誌を持っているらしく、すごく素敵な話だなぁと思いました」。
このシーンは、自分の漫画が初めて掲載されるも、手放しで喜べないでいたモユルに、庵野が「思っていたほどうれしくないだろう。なぜだかわかるか? すぐに認められたらすぐにプロとしての責任感とそれに対する不安が襲ってくるからさ」と語りかける同ドラマのクライマックス。
「カンヌで受賞したときの僕がまさにそうでした。急に責任と不安が襲いかかってきて、びっくりしていました。その後、それらに押しつぶされていましたからね」と冷静に、淡々と、気負うことなく語る。
「例えば売れたいとか、モテたいとか、何かしら夢があって、それがかなったとしても、目指していたこととは別なものを背負いだして、そこからさらに一歩踏み出すのに勇気がいる。チャンスがあっても、躊躇しちゃったりする。そこが別れ道になるんだろうなって。10代の頃はなかなか理解できなかったけど、今なら責任と不安というのはこういうことか、とわかるようになって少し楽になってきました」。何か、吹っ切れたような清々しさが魅力的に見えた。
昨年、映画『許されざる者』『ゆるせない、逢いたい』『爆心 長崎の空』の3作品が立て続けに公開となり、今年は映画『闇金ウシジマくんPart2』『クローズEXPLODE』、『最後の命』(公開中)、舞台『金閣寺』、ドラマ『アオイホノオ』(テレビ東京)では民放連続ドラマに初主演、『信長協奏曲』(フジテレビ系)では「第1話だけなんてもったいない!」とネットで話題になるなど、役によってガラリと印象が変わって見える演技力の高さに絶賛の声が巻き起こっている。
今年、出演した作品の中でも、主演を務めた『アオイホノオ』は、柳楽にとって特別な作品となった。
漫画家・島本和彦氏が自身の大学時代をベースに描いた同名漫画(小学館『ゲッサン』連載中)をドラマ化。1980年代初頭、『タッチ』『ガンダム』などの漫画・アニメの名作に憧れ、同時に嫉妬していた漫画家志望の島本氏や、彼を取り巻く友人やライバルたちをモデルにした若者たちの挫折、葛藤、嫉妬、挑戦を描いた青春群像劇。脚本と監督は「勇者ヨシヒコ」シリーズや映画『HK/変態仮面』などで知られる福田雄一氏が務めた。
同ドラマのBlu-ray&DVD BOX(11月19日発売)のプロモーションでORICON STYLEの取材に応じた柳楽は、「最終回の放送が終わった後、福田雄一監督に『アオイホノオをきかっけにいろいろなことが変わった。自分の中で一歩踏み出せたような気がします』とメールしたんですけど、まさにそういう気持ちです」と心境の変化を話してくれた。
柳楽は、同ドラマの主人公、芸大生・焔(ほのお)モユル役を漫画から抜け出たように熱演。コメディー作品も同作が初挑戦だった。「初の熱血的かつユニークな役。こういう役をやりたかった。いつも暗い役が多いから(笑)、時には楽しい役をやらないと気が滅入っちゃう。始まる前は自分にできるか怖くて仕方なかったですけど、やってみたら面白かった。スケジュールも、もう俳優やめますっていうほどのキツさではなく、自分といい感じで戦えるキツさでした」と充実した表情を見せた。
同ドラマには『新世紀エヴァンゲリオン』などの作品で知られる庵野秀明氏らが実名で登場。若き日の庵野ヒデアキ(安田顕)の才能に、嫉妬と羨望のまなざしを送っていたモユルだが、「最終回、庵野君がモユルに『サインしてくれ』と頼むシーンがあるんですが、これ、実話なんですって。庵野さんはいまだにそのサインをした雑誌を持っているらしく、すごく素敵な話だなぁと思いました」。
このシーンは、自分の漫画が初めて掲載されるも、手放しで喜べないでいたモユルに、庵野が「思っていたほどうれしくないだろう。なぜだかわかるか? すぐに認められたらすぐにプロとしての責任感とそれに対する不安が襲ってくるからさ」と語りかける同ドラマのクライマックス。
「カンヌで受賞したときの僕がまさにそうでした。急に責任と不安が襲いかかってきて、びっくりしていました。その後、それらに押しつぶされていましたからね」と冷静に、淡々と、気負うことなく語る。
「例えば売れたいとか、モテたいとか、何かしら夢があって、それがかなったとしても、目指していたこととは別なものを背負いだして、そこからさらに一歩踏み出すのに勇気がいる。チャンスがあっても、躊躇しちゃったりする。そこが別れ道になるんだろうなって。10代の頃はなかなか理解できなかったけど、今なら責任と不安というのはこういうことか、とわかるようになって少し楽になってきました」。何か、吹っ切れたような清々しさが魅力的に見えた。