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苦し紛れの「反日カード」? 台北市長選で「皇民化教育推進の子孫」与党陣営が対立候補に
【台北=田中靖人】29日投開票の台北市長選で、劣勢が伝えられる与党、中国国民党の連勝文候補(44)の父親で、同党名誉主席の連戦氏(78)が、対立候補を批判する際、日本統治時代の公務員の家系であることを理由に挙げていたことが17日、分かった。同日付の台湾各紙が伝えた。
連戦氏は16日、中台統一派の会合で、優勢が伝えられる無所属の柯文哲候補(55)について、日本統治時代に「青山」と名乗り皇民化教育を推進した「日本の高官の2代目だか3代目」と主張。「青山文哲が市長になることは絶対に許せない」などと訴えた。
長男の連勝文氏が「官二代」(高級幹部子弟)と批判されていることへの反論だが、柯氏の祖父、父親とも教員だという。
連勝文氏の選対事務局長の蔡正元立法委員(国会議員に相当)も7日、柯氏の出自から市長選は「新しい台湾人と古い日本人の争い」と述べており、「反日カード」で自陣営を固める狙いがあるとみられる。ただ、連勝文氏自身は公約で、台北が目指す都市としてシンガポール、ニューヨークと並んで京都を挙げており、陣営の苦し紛れの戦法がどこまで奏功するかは不明だ。