2014年7−9月期のGDPが発表になりました。

 GDPの数値は、多くの経済指標の中で最も注目度の高いものの一つですが、しかし、今回ほど注目されたことはないかもしれません。というのも、このGDPの伸び率如何によって消費税増税の延期が確定的となり、従ってまた、衆議院の解散が確定的になると見られていたからです。

 では、結果はどうなったのか?

 既にご承知のとおり、2014年7‐9月期のGDPの伸び率は前期比マイナス0.4%(年率換算でマイナス1.6%)となったのです。

 はっきり言って、ここまで悪い数値になるとは驚きです。私だけではなく民間の大方の予測とも大きく異なっていたのです。

 多くのエコノミストは、決していい数値ではないにしても、マイナスになるとは思ってもいなかったのです。

 では、ここで貴方に質問!

 何故、そんなに悪い数値になったのか?

 前期比マイナス0.4%ということは、4−6月期に、1−3月期の反動減でどーんと落ち込んだ水準からさらに低下したということなのです。

 どーんと落ち込んだ後だから、水準自体はそれほど高くなくても少しは戻すであろうと思っていた人が殆どではなかたのでしょうか?

 本当に何がGDPを押し下げたのでしょう?

 やっぱり増税の悪影響が消費行動に及んでいると考えますか?

 せっかちな方なら、そう早合点してしまうかもしれません。でも、そうではないのです。

 表をご覧ください。

2014・2QのGDP

 
 個人消費は減少してはいないのです。1Qの305.5兆円から2Q の306.6兆円と1.1兆円増加しているのです。

 GDPを押し下げている要因を探すと、住宅投資がマイナス、そして、設備投資もマイナスなのですが…実は、通常は余り注目されることのな在庫投資の増加分が‐3兆円となっているのです。

 ということは、仮にこの‐3兆円がゼロであったと仮定すれば、2QのGDPは0.8兆円増加していた訳で、そうなると前期比で0.15%ほど増加していた計算になるのです。

 でも、多くのメディアはそのことについて詳しく報じていません。ちゃんとした分析もしないままGDPの6割を占める個人消費の伸び率が低かったからなんて言うようなものが殆ど。

 では、民間在庫投資の増加分が大きく減少したということは悪いニュースなのか?

 そうではないでしょう?

 確かに、将来の売れ行き見通しが弱気になれば、企業は在庫を減らす行動に出るかもしれませんが、そうではなく、予想以上に在庫がさばけているだけなのかもしれません。であるとすれば、それほど悲観するのは如何なものか、と。

 いずれにしても、今回GDPがマイナスになった理由について正しく理解しておくべきだと思います。個人消費がマイナスになった訳ではないのです。


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