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大企業がクラウドに移行しないシステムは?(上)

2014/11/18

Ann Bednarz Network World

 大手企業のCIO(最高情報責任者)へのインタビューを見比べると、クラウドの導入のレベルは各社まちまちだ。簡単な実験レベルから、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方でアプリケーションやインフラを多用している企業もある。だが、クラウドを活用している企業であっても、現段階では、CIOとしてクラウドに移行しようとは決して思わないようなリソースもある。

 大手企業のCIO(最高情報責任者)に対するインタビューを見比べると、クラウドの導入のレベルは各社まちまちであることが分かる。簡単な実験にとどまっている企業もあれば、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方でアプリケーションやインフラを多用している企業もある。だが、クラウドの活用という面でトップクラスの企業であっても、少なくとも現段階では、CIOとしてクラウドに移行しようとは決して思わないようなリソースもある。

 戦術的な機能の中には、パブリッククラウドのサービスとして簡単に利用できるものもあるが、全てがその範疇に収まるわけではない。企業システムの中には、セキュリティや信頼性への懸念から、パブリッククラウドで稼働するには時期尚早なものもあると、米食品大手Campbell Soup CompanyのCIO、Joe Spagnoletti氏は話す。

 同社は全てをクラウドでこなそうとは考えていないとSpagnoletti氏は強調する。「変革したいと思っている部分に(プロジェクトの)対象を大きく絞っている。複式簿記は長年にわたって変わっていない」

 米化学大手Dow Chemical Companyでは、IT部門がクラウドベースのインフラを構築した。ベンダーがホスティングするシステムと、同社のプライベートクラウドとを併用する形のインフラだ。アプリケーションに関しては、現時点で大半がクラウド環境にあるものの、パブリッククラウドで稼働しているものは約10%程度にすぎない。今後の見通しとしては、アプリケーションの30~40%程度を3年以内にパブリッククラウドに置くことを考えていると、同社のCIOでビジネスサービス担当のバイスプレジデントを務めるPaula Tolliver氏は言う。

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