著作権法違反:スクエニ社や押切蓮介氏を書類送検

毎日新聞 2014年11月17日 20時41分(最終更新 11月17日 21時50分)

スクウェア・エニックスが発行する漫画「ハイスコアガール」
スクウェア・エニックスが発行する漫画「ハイスコアガール」

 コミック誌に他社のゲームキャラクターを無断で使ったとして、大阪府警は17日、発行元のゲームソフト大手「スクウェア・エニックス」(東京都新宿区)と男性役員(56)を含む担当者や漫画家・押切蓮介氏(35)の計16人を著作権法違反の疑いで大阪地検に書類送検した。押切氏ら6人については起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。全員が否認しているという。

 送検容疑は2012年2月〜昨年12月、スクエニ社発行のコミック誌「月刊ビッグガンガン」連載の「ハイスコアガール」やその単行本5巻で計166カ所、ゲームソフト会社「SNKプレイモア」(大阪府吹田市)が著作権を持つ格闘ゲームのキャラクターを許諾を得ずに使ったとされる。

 押切氏のハイスコアガールは主人公が格闘ゲームに挑戦するストーリー。単行本5巻は計約110万部を発行している。府警が今年8月にスクエニ社を捜索した後、休載された。

 府警生活経済課によると、作中の他3社のキャラクターは事前に使用許諾を得ており、府警はスクエニ側が許諾の必要性を認識していたとみている。

 押切氏は「許諾は会社が得ていると思った」と供述。スクエニ社の松田洋祐社長は任意の聴取で「著作権侵害はない。裁判所で判断してもらうしかない」と主張しているという。

 一方、スクエニ社は今年10月、SNK社を相手取り、著作権侵害がなかったことの確認を求める訴えを大阪地裁に起こした。【千脇康平】

 ◇京都精華大マンガ学部の呉智英(くれともふさ)客員教授の話

 漫画業界では有名作品のキャラクターを使用し新たな作品を作る「2次創作」が一部で許されている。作品の人気を示すことができるため、使用される側が黙認することも少なくない。ただ、漫画業界が2次創作のガイドラインを整備しないと、トラブルが続く恐れがある。

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