住民投票条例を可決 陸自配備めぐり沖縄・与那国町 1月中旬までに実施へ
産経新聞 11月17日(月)19時0分配信
与那国島(沖縄県与那国町)への陸上自衛隊「沿岸監視隊」の配備をめぐり、与那国町議会は17日、配備の賛否を問う住民投票を実施するための条例案を賛成多数で可決した。条例では外間守吉(ほかましゅきち)町長は60日以内に住民投票を実施すると定め、来年1月中旬までに投票が行われる。住民投票に法的拘束力はないが、反対票が上回れば抗議活動などが激しくなる恐れがある。
条例案を提出した野党議員3人は、16日投開票の県知事選で当選した翁長雄志(おながたけし)前那覇市長を支援。翁長氏の決起集会に出席し、陸自配備が進む与那国島の現状は、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古と「同じだ」と訴えている。
翁長氏自身は、与那国島などへの部隊配備に対する賛否を明らかにしていないが、知事に就任すると、県としても与那国島への陸自配備を阻止するよう働きかける可能性がある。
条例によると、住民投票は中学生以上の約1200人が対象となる。
同町議会の定数は6。9月に行われた町議選で、陸自を誘致した外間氏を支持しない野党議員が1人増え、与野党が3対3で同数となり、与党議員が議長に選ばれたため、採決では野党が多数を占める。
防衛省は、部隊配備に向け4月から施設の建設を始めており、住民投票の結果にかかわらず工事を進める方針だ。平成21年と25年の町長選で外間氏が配備反対派を破っていることも踏まえ、住民の男性は「今さら蒸し返して何の意味があるのか」と疑問視する。
沿岸監視隊は領海や領空の「境界」近くに配置し、地上レーダーで数十キロ先までの海・空域を警戒する。与那国島への配備は中国の脅威をにらんだ措置で、27年度末に工事を終え、部隊を発足させる。
最終更新:11月17日(月)20時40分
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