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【沖縄知事選】
辺野古移設、菅官房長官は「粛々と」 移設反対の翁長氏は「知事権限行使」を表明
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は17日の記者会見で、沖縄県知事に米軍普天間飛行場(同県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設に反対する前那覇市長の翁長(おなが)雄志(たけし)氏が選出されたこと関し「移設は粛々と進めていく」と改めて述べ、辺野古移設を進める政府方針に変わりはないことを強調した。一方、翁長氏は那覇市内で記者団に対し、移設阻止に向けて「知事権限を行使する」と表明した。
菅氏は会見で「普天間飛行場の固定化は絶対避けなければならない。これは政府と沖縄の共通の認識であり、辺野古移設は唯一の解決策だ」と述べた。
岸田文雄外相も、参院拉致問題特別委員会で「普天間の危険性除去(の必要性)は、政府と沖縄の地元が共有している。その唯一の方法が辺野古移設との考えは今後も変わらない」と同調した。
今回の同県知事選に対する評価についても、菅氏は「辺野古移設の賛成、反対の投票ではなかった。さまざまな政策で各候補の主張が行われた結果だと受け止めたい」と訴えた。
これに対し、翁長氏は「(辺野古推進の)仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事による誤ったメッセージを打ち消すための選挙だった」と述べ、選挙結果を尊重するよう求めた。
その上で「辺野古沿岸部埋め立て承認の撤回を視野に動く」と表明。沖縄防衛局が県に申請した埋め立て工法変更の可否については「私に判断を委ねてほしい」と述べ、仲井真氏が12月9日までの任期中に認可しないよう牽制(けんせい)した。
翁長氏は昨年末の埋め立て承認を検証する外部の有識者委員会を近く立ち上げ、承認に不備があれば取り消しを求める構えだ。これについて、政府高官は「不備などと言ってきたら堂々と戦えばいい」と不快感をあらわにした。