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【ゴルフ】

前田、大城とのプレーオフ制し、初V

2014年11月17日 紙面から

伊藤園レディース最終日、プレーオフ2ホール目でパーパットを沈めギャラリーの声援に応える前田陽子=千葉・グレートアイランドC

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◇伊藤園レディス<最終日>

 ▽16日、千葉県長南町・グレートアイランドC(6639ヤード、パー72)▽晴れ、気温14・3度、風速1・6メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽54選手(うちアマ1人)▽観衆5817人

 1打差3位から出た前田陽子(29)が70とスコアを伸ばし、通算9アンダーで並んだ大城さつき(25)とプレーオフに突入、2ホール目のパーセーブでプロ初優勝を飾った。前田はゴルフだけでは食べていけず、今年1月まで地元の段ボール工場でアルバイトをしながら練習を重ねたという苦労人。ツアー終盤に異色の新星が現れた。1打差の8アンダー3位は上田桃子(28)、7アンダー4位に原江里菜(27)ら6人が入った。

 ともにノーシード、未勝利、賞金ランキングもシード圏外という伏兵同士のプレーオフ。前田は昨年から教えを請う師匠、国内LPGA記録の482試合連続出場で“鉄の女”と呼ばれた今堀りつ(65)の言葉、「18ホール、5時間頑張れば、それだけで来年1年間が手に入る。ここが頑張り時じゃないの?」を思い出していた。

 1ホール目でピン奥3メートルのチャンスを決められず、2ホール目へ。今度は20メートルほどのファーストパットだった。「今日は験を担いで、1番からずっと同じボールを使い続けていました」。ちょっぴり汚れたボールはカップをかすめて30センチに止まる。“お先”のパーセーブ。その後、大城のパーパットが外れて初勝利が決まった。「本当に私が勝ったんだ…」。前田が涙を拭き取ったのは、自身が時給810円で働いていた地元徳島の段ボール工場の親会社、王子製紙の看板ブランド『nepia』のティッシュだった。

 「緊張はしていたけど、昨日ほどじゃなかった。今日は結果がどうあれ、いい経験になるだろうって思ってたから」。26日に30歳の誕生日を迎える。安全靴にヘルメット姿で工場勤務だった1月からわずか10カ月でのシンデレラストーリー。大きな優勝カップと賞金1800万円の目録を胸に感慨もひとしおだった。

 今堀哲学はもう1つ。「ただ“出るだけ”の人ではいけません。プロの世界ではやっぱり勝たなくては」。レギュラーツアー通算39試合目、前田がようやく“プロ”になった。 (月橋文美)

 

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