詐欺容疑:架空投資で詐取…組幹部ら15人を逮捕 警視庁

毎日新聞 2014年11月17日 15時00分(最終更新 11月17日 15時22分)

 ◇被害総額は15億円以上か

 再生医療の研究開発をする会社の債券購入を持ち掛けて現金をだまし取ったとして、警視庁組織犯罪対策4課は詐欺の疑いで指定暴力団住吉会系組幹部ら19人の逮捕状を取り、うちリーダー格の組幹部、上田浩範容疑者(38)ら15人を逮捕した。被害総額は15億円以上に上るとみて組織の実態解明を進める。

 逮捕容疑は今年4〜7月ごろ、大阪府の女性(80)宅に再生医療の研究開発を行うとする「ジャパンメディカル」という実体のない会社のパンフレットを送付。債券の購入を持ち掛ける電話をかけ、現金8500万円を東京都内の私書箱に送らせてだまし取ったとしている。同課はだまし取った金が暴力団の活動資金になっているとみている。

 警察庁によると、架空の投資話を持ち掛ける詐欺などの「特殊詐欺」事件は、暴力団組員などが摘発されるケースが急増。今年1〜9月に特殊詐欺事件で摘発された暴力団構成員・準構成員は484人で全体の37%を占める。前年同期は322人で27%だった。

 「レターパック」などを使って被害者に現金を送付させる手口が目立つ。

 警視庁幹部は「高齢者らをターゲットにした詐欺が金になると考え、暴力団が組織化して特殊詐欺に手を染めている」と指摘、摘発を強化している。

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