障害者雇用率 虚偽報告の疑いで告発状提出11月17日 18時11分
全国の労災病院を運営する厚生労働省の外郭団体が法律で義務づけられている障害者の雇用率を達成しているかのようにうその報告をしていたことについて、厚生労働省は17日、障害者雇用促進法の虚偽報告の疑いで検察庁に告発状を提出しました。
全国の労災病院を運営する独立行政法人「労働者健康福祉機構」は雇用している障害者の数を水増しするなどして法律で義務づけられている障害者の雇用率を達成しているかのように国にうその報告をしていたとして先月、理事長が記者会見を開いて謝罪しました。
機構では第三者委員会を設けて原因を調査していますが、うその報告は少なくとも平成22年から5年間にわたって行われていたということです。
このため、厚生労働省は障害者雇用促進法に違反する虚偽報告の疑いがあるとして17日、検察庁に告発状を提出しました。
これについて塩崎厚生労働大臣は「意図的に数字を操作しており虚偽報告であることは明らかで悪質なケースであることから厳格に対応した」と述べました。
そのうえで独立行政法人の障害者雇用の状況を国が抜き打ちで調査するなどの対応策を新たに検討する考えを示しました。
以前に出向していた2人を事実上更迭
労働者健康福祉機構が障害者の雇用率について、うその報告をしていたことに関連し、以前、機構に出向していた厚生労働省の審議官ら2人が18日付けで大臣官房付けとなり、事実上、更迭されることになりました。
厚生労働省によりますと2人はいずれも総務部長として機構に出向し、それぞれ去年と、おととしに国への報告が事実と異なることを知りながら決裁していたということです。
2人はこうした事実を認めているということで、厚生労働省は虚偽報告に関わっていたとして更迭を決めたということです。