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HP1からはじめる異世界無双 作者:サカモト666

第2章 ノラヌーク王国を吹っ飛ばせ!

Sランク級冒険者選抜試験 その1

まえがき


・お知らせその1
タイトルですが、今現在、

『HP1からはじめる異世界無双 ~メタルはぐれ最強伝説~』

と言う風に、表記されているはずです。
で、もう少ししたら、メタルはぐれ最強伝説のサブタイトルを取っ払います。

つまり、正式タイトルは『HP1からはじめる異世界無双』となります。


え? 何でメタルはぐれ最強伝説がタイトルから消えるかって?
その辺りは、後述の特別企画で、数日中に説明します。



・お知らせその2
数日中に、特別企画をやります。
書籍化について、出版社の方から、色々と発表許可出ました。
その絡みで、数日中に、発表ついでに本編中に書下ろしの短編を投稿します。
出版社非公式企画で、かなりギリギリのメタ満載の短編をやります!








っていう事で、~Sランク級冒険者選抜試験~

始まります。
















 さて。
 舞台は変わり、勇気の下宿の所在するカダヒムの街。
 魔界から凱旋した勇気は、相変わらずの極貧生活を続けていた。

 そう。
 極貧生活を続けていたのだ。


 ――思えば、今まで、彼が退治してきた強敵たち。
 それは例えば――バグったステータスの絶対防御だったり。

 それは例えば――ドラゴンゾンビだったり。

 それは例えば――魔王軍大元帥だったり。

 っていうか、異世界トリップしてきた初っ端から――魔王だったり。


 今更だが、その全てが圧倒的規格外で、実力的にはとんでもない事になっている連中ばかりだ。
 だが、その全てを、彼はワンパンで屠ってきた。
 そして、そんな常識外の力を持つ彼だが――宿命的な勘違いによって自分の実力には気づいてはいない。
 故に。
 彼は極貧生活を行っている。

 ――生ゴミを漁り、紳士淑女の靴を磨き、そして――物乞いすらも行った。

 そんな感じでどうにかこうにか、今日を生きていくことはできているが、それでも彼の生活はギリギリだった。

 思えば、ドラゴンゾンビを倒して稼いだ――日本円で億単位の金。
 その全てをSMクラブ&ゲイバー:タケシノマヨネーズで飲んだ事……それが全ての元凶だ。

 そして。
 無駄遣いの結果、必然的に訪れる悲劇。

 ――最後の審判の時は、つい先日に、唐突に訪れた。

 つまりは、彼の泊まる宿屋――宿賃を滞納して数か月になるのだが――その、大家の……程よく脂肪の乗った70代のババアがついにキレたと言う事だ。



 その日の朝の事。

 ドンドン、ドンドン。

 勇気の宿泊する部屋のドアがけたたましく叩かれる。
 ――宿代の催促か……あのババァ、しつけーんだよな。まあ良い……どうせいつもの事だ。
 このまま寝て、居留守を決め込んでしまえば良い……と勇気は腹をくくっていた。そして、事実として、いつもはそれで何とかやりすごせていたのだ。
 けれど。
 本日は様子が違った。
 何故なら――

 ――ドグシャアアン! とばかりの効果音と共に、鍵をかけていたドアがぶち破られたのだ。

 現代の特殊部隊よろしく、前蹴りでドアを破ったのは、それはつまり――女将のババァである。

「コラァ! お前!! いい加減……宿賃払え! 銀貨10枚 (日本円で40万)だぞ! 分かってんのか!?」

「すいません、女将さん、今、金が無いんです!」

「よくまあ、そんなセリフが吐けたな!!? テメェ……払わねえなら、体で払ってもらうぞ!」

「体? 労働って事ですか?」

「違うよ馬鹿!」

 そこで、ババァはほんのりと頬を朱色に染めた。
 そして、まるで処女おぼこのように、恥ずかしげに首を左右に振った。

「じゃあ、女将さん……一体どういう事で……?」

「もう、鈍い奴だねえ……何で私が、宿賃を払わないお前を、今まで飼っていたと思うんだい?」

 乙女のような瞳で、けれどそれには似つかわしくない肉食獣のような表情で、ババァは舌なめずりを始めた。
 それと同時に、嫌な予感を感じた勇気の背中にサブイボが走る。

「大家さん……俺を……飼ってた? それってどういう事……?」

「ああ、アタイはね……お前さんをずっと飼ってたんだよ……滞納家賃で、にっちもさっちもいかなくなるまで、あえて……ね。そうやって、私はここに泊まる若者をカタに嵌めて……喰いまくってるのさ」

 ゴクリと勇気は唾を呑みこむ。
 第6感の伝える危険信号は既に限界を振り切っており、勇気は放心状態に陥る。
 だがしかし……勇気はババァに問わざるを得なかったのだ。

「女将さん……俺には良く分かりません、どういう事なんでしょうか?」

「本当に鈍い男だね……具体的に言ってやろうか?」

「具体的……? どういう事で?」

 妙に艶っぽい表情を浮かべて、ババァがこちらに歩み寄ってきた。
 そして、左手の人差し指をこちらに突き出し、勇気の頬に軽く線を描いた。
 更に言うと――その瞳は、恋する乙女そのままの熱っぽい何かを帯びている。

「つまり……テメエの童貞で払ってもらうって事だよ」

「勘弁してください!」

 マッハで後ろずさる勇気。
 そして、後ろずさりながらも、ババァを睨み付ける。
 今は寝起きの為に、覆面はしていないが、彼は基本は覆面マントブリーフである。

 だからこそ、迫りくるババァに、彼は言いたい事があったのだ。


「すいません……俺……基本……覆面ブリーフだけど……喰うにしても……そんなので大丈夫なんですか?」

 じゅるり、と唾液をすすりながら、ババァが鼻息を荒くした。

「アタイは若くて童貞だったら何でもいいんだよ。いや、お前がそんな格好だからこそ、だから逆に私は確信できるんだ。お前が、童貞だってね……さあ、早く……後生だから……童貞を食わせろ……」

「いや、後生だからって……」

「なーに、目をつむってれば、すぐに終わるさ」

「すぐにって……どれくらいで?」

「300分で終わる話さ」

「えらい元気なババァだな、おいっ! 何回戦やるつもりなんだよっ!」

 そこで、ババァは勇気に更に近づき、勇気の股間に手を伸ばした。

「さ、目を閉じるんだ……これで宿賃はタダだからさ……お前さんにとって悪い話じゃあないはずだ」

 勇気のレインボーブリーフ。
 その股間に皺くちゃの手が微かに接着した。
 同時に、勇気は恐怖の余りにビクンと体を震わせる。

「ふふん、可愛い反応じゃあないか」

 そして、ファサリとババアの衣擦れの音が部屋に響いた。


 ――つまりは、ババアは、その場で下着姿になっていた。
 皺くちゃの白肌を包み込む、紫色の派手なショーツにブラジャー。
 それは、下着と言うよりはむしろ……ヒモに近い形容の者だった。

 ――ババァに紐パン。

 ――眼前の光景は、正に悪夢。

 ――本当に、この小説は……。
 大手ライトノベルレーベルから書籍化するのかと心配になりそうな――そんな、チャレンジブルな展開と会話が続いている訳だ。

 それはともかく。

 そこで、人生史上最大の危機を感じた勇気は声を荒げて叫んだ。

「待て! 待て! 待て待て待て待て! ババァ! ウェイト! ウェイトウェイトウェイト! ババァ! ウェイト! ウェイト! ババァ!」

 オーバーリアクション気味に叫ぶ勇気に、女将のババアは一瞬たじろいだ。

 ――逃げるならここがチャンス!

「要は金を払えばいいんだろ!? 女将さん!!」

 それだけ言うと、彼は自らが所属する冒険者ギルドに向かって駆け出して行った。








 そして、冒険者ギルドカダヒム支部。
 金髪エルフの受付嬢、マールが、受付カウンター越しに勇気に卑下の視線を浴びせかけた。

「なるほど勇気君。つまり君が滞納している家賃は銀貨換算で10枚(日本円で40万円)……なわけね。あいもかわらず、君はゴミクズのような生活を……」

 ああ、と頷き、勇気は涙目で懇願した。

「このままじゃあ、俺の童貞はあのババァのもんになっちまう……どうすりゃあ、いいのかな? マールさん」

 ぶっちゃけた話、勇気はこの世界で凄くモテている。
 それはもう、美女ばかりにモテている訳だ。童貞を本気で捨てようと思えば、恐らく――彼女達相手なら、出会い頭にいけるレベルだ。
 まあ、彼が手を出さないのには色々な理由はあるのだが……。
 はっきり言ってしまえば、美少女相手にどうとでもできる現況で、ババァ相手に初体験は悲しすぎる。
 そんなこんなで、金髪エルフの受付嬢は深いため息をついた。

「んーーー、ぶっちゃけちゃうわね? お姉さんとしては……いや、ギルドとしても、君の扱いには困ってるのよ」

「俺の扱いに困ってる?」

 怪訝に尋ねる勇気に、困ったようにマールは応じた。

「まあ、君、色々アレだから……例えば、君は……有りえないレベルの実力者と知り合いだったり……」

「ああ、有名人とは何故だか知り合いみたいだな」

 あっけらかんにそう言う勇気に、耳をひくつかせながらマールは応じる。

「Sランク級冒険者の、その中でもダントツのトップ……人類最強の誉れの高いルリ=タカミネ。あるいは、魔貴族:サルトリーヌ=マルコキアス」

 更に深い溜息と共に続ける。

「本当にどうやって知り合ったのよ貴方……まだ、ルリさんは気さくだからアレだけど……魔貴族とか、機嫌を損なったら一瞬で消し炭になっちゃうのよ? まあ、それは良いわ」

 ああ、と勇気は頷いた。

「当面の問題は、俺の滞納家賃だ。何とかなるような仕事は無いのか?」

「で、ぶっちゃけた話ね……無いのよ」

 すっとんきょうな声色で、勇気は応じる。

「無い?」

「一回で銀貨10枚みたいな仕事は、君のランク――Eランク級冒険者には存在しないの」

「えっ……」

 この世の終わりのような表情を勇気は浮かべる。

 このまま、宿の帰れば、ババァに貞操を奪われてしまう――それは良くない。
 とても……良くない。
 かといって、彼には帰る場所も無いのだ。

 半泣きになりながら、マールに懇願する。

「何とか……何とかなんねえのか! マールさん!」

 うんと頷き、マールはカウンター机に置いている書類にペンを走らせた。

「だから、試験を受けてきなさい。銀貨10枚 (日本円で40万円)位、そのランクになれば1日で余裕で稼げるから」

「試験? 受けてくる……ランク?」

 ええ、とマールは意味深に口元を歪ませた。

「飛び級の飛び級の飛び級。特例の特例の特例よ。Sランク認定試験を受験する事を許可するって言ってるの」

「Sランク!!!!?」

 勇気の悲鳴に近い驚きの叫びを無視し、マールは続けた。

「いや、あなた……えらい驚いてるけど……あなた自身、そのSランクのトップ層に……異常に崇拝されてる……」

「無理無理無理無理、俺には無理だから! あいつら、何か勝手に俺に懐いてるだけだから!」

 そこで、ピシャリとマールは言い放った。

「君の抗弁は聞いてません。試験を受けてきなさい、これは命令です。で……とりあえず、彼についていきなさい」

 マールが指さしたのは勇気の後方5メートル。
 いつの間にか、勇気の背後に、黒づくめの男が立っていた。

 微かに漂う、鉄の香り。
 恐らくは――幾ら落としても、落としきれぬのだろう……彼から漂う血の香りは、何をやってもぬぐえるレベルの範疇を超えているらしかった

 そう。
 彼の半径1メートル以内に入るだけで、血の臭いと共に、幾十、幾百の死の香りが漂ってくる――そんな、異常な雰囲気を漂わせる男だった。

「あんたは……?」

 音も無く、いつの間にか背後を取られていた事に、勇気は絶句する。
 彼は口元を歪めて、ニヒルな笑みと共に言った。

「聞いて驚くなよ……? Aランク級冒険者――ハヤブサの死神アサシン……ジョニーとは俺の事だ!」

 そして、続けた。

「全く……ルリ=タカミネのような人類最強の代名詞が……貴様みたいなEランクにご執心とはな……呆れ笑いしか出てこねえ。そして、俺の眼はフシアナじゃあねえ……覚悟しておけ、偽物がっ!」

 唖然とした表情で、勇気は言った。

「お前が……Aランク級冒険者――ハヤブサの死神アサシン……ジョニー……だと?」








サルトリーヌ「誰だよ!」





自分で言うのも何だが、とても『ダンジョンシーカー』を真顔で書いてる人間と、同一人物が書いた物とは思えないですね……。



っていうことで宣伝です。
同時連載中の以下の作品。

成り上がりダンジョンシーカー ~最弱だった俺が最強になって奴等を肉塊に変えるまで~
http://ncode.syosetu.com/n0257cg/

物凄い勢いでポイントが伸びてます。
投稿後1か月で、メタルはぐれ最強伝説を抜きそうです。
どこまで伸びるか、今のところは未知数ですが、良いところまでは健闘してくれそうな気もします。

お詫びです。
実際、異常事態のレベルで伸びてます。
だから、そっちにかかりきりになっているので、こちらの更新遅れてごめんなさい。


で、後2~3日中に色々と、書籍化の絡みの発表&企画やるんで、是非ともそちらも見てやってくださいw


で……。

勇気のSランク冒険者昇進試験のエピソードに入ります。
元々、冒険者ギルド編は色々と消化不良なので、その辺りを補完する形です。
2章の今後について、このエピソードは……まあ、あってもなくても別に通じるんですが……。
とりあえず、小鳥ちゃんを出した時点で、どう考えてもラストまで一直線にならざるを得ないような感じになったので、こんな感じのエピソードを挟ませてくださいw


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