ロボットが橋を点検 老朽化対策で実証実験11月17日 16時54分
全国的な課題となっている老朽化した橋の点検や補修を従来よりも短い作業時間で、コストを抑えて実施しようとロボットを活用した点検の実証実験が東京都内で行われました。
東京・八王子市内にある橋で行われた実証実験は国土交通省が主催したもので、17日は企業や大学が開発している7つのロボットを使って橋を点検しました。
このうち、富士フイルムなどが開発中のロボットは、移動しながら2つのカメラで立体的に捉えた点検箇所の画像をリアルタイムに送信し、状況を解析できます。
会社の担当者は「課題はまだあるが、橋の老朽化対策に貢献するためにさらに改良したい」と話していました。
また、綜合警備保障が開発しているのは小型の飛行ロボットで、点検か所まで接近できるように橋との距離を高い精度で測るセンサーなどが備えられています。
担当者は、「風が強いときなどにも使えるようさらに改良していきたい」と話していました。
国土交通省によりますと、全国で建設時期が分かっている長さ2メートル以上の橋、およそ40万か所のうち、建設から50年以上がたっている橋は去年の時点で全体の18%、平成35年には43%に達すると見込まれ、今後、何らかの補修が必要とされています。しかし、橋の点検や補修の際には足場を組むことなどが必要で作業時間やコストがかることから、その対策が大きな課題になっています。
このため、国土交通省は実証実験の結果などを踏まえて橋の点検などにロボットを活用することで、従来よりも作業を容易にして時間の短縮や低コスト化につなげたいとしています。