美容外科医・医院の選び方、4
所属団体で選ぶ
「日本美容医療協会」は信頼度が高い
「日本美容外科学会」は2つある
Q.美容外科の広告で、たとえば「こういう肩書きの美容外科医はいいよ、信頼できるよ」ってのを教えてよ。「日本美容外科学会正会員」なんてのは、良い美容外科医の証明みたいなもんでしょう。
A.いやこれがまったくあてにならないんだ。
Q.どうしてよ。
A.実はね、「日本美容外科学会」というのは、まったく同じ名前の組織が二つあって、それが原因でどちらも「日本医学会」にも入れなくて困っているんだ。
Q.なんのこと言ってるか、全然わかんないよ?
A.そりゃそうだね。ところがそうなっちゃってるんだ。一つは、形成外科で研修を受けてまじめに形成外科・美容外科に取り組んでいる美容外科医の団体「日本美容外科学会」(略称JASAPS)。もう一つは形成外科で研修を受けたことのない医師でも入ることのできる美容外科医の団体「日本美容外科学会」(略称(JSAS)。日本医師会も厚生労働省も困っている。
Q.だったら「日本美容外科学会」の肩書きが書いてあっても、どっちの学会に入っているかどうかわからないから、なーんの意味も無いじゃない。なにやってんのよ。バカにしてるよ。 じゃあ、この団体に所属していたら安心ですって団体はないの!
A.「社団法人 日本美容医療協会」。この肩書きの美容外科医は一応信頼できる。厚生省、日本医師会認定の唯一の団体で、会員はまじめに形成外科・美容外科に取り組んでいる。大学の教授などもたくさん入っている。ここに入っている会員は信頼できるし、「美容外科110番」といって、週に二時間だけだけれど、毎週木曜日午後7時から9時の間に、会員の医者が美容外科に関するいろいろな電話相談などの活動もしている。美容外科の駆け込み寺だ。(〒102-0093 東京都千代田区平河町2-3-4平河平山ビル3F 電話03-3239-9710 Fax03-3239-9712)
しかし全面的信頼はできない。適正認定医には優れた医師が厳選されているが、会員の中には、超高齢、華麗な経歴を持ちながら実際は手が震えて手術ができなかったり、不勉強で20年も前の古い手術しかできなくて、ひどい失敗を繰り返している医師がいる。東京・京都で一人ずつ発見して、私のリストには入れていない。
Q.それから広告見てたらね、「大手美容外科で研修」ってのもあったけど、これもだめなの?
A.「医院の形態で選ぶ」のところでも書いたけど、「大手美容外科」っていうのは年間数十億円の広告費を使って誇大広告を出して、全国に20、30のチェーン店を出して、一週間程度の研修で二重まぶたや鼻の手術を医者を集めて、膨大な利益をあげている美容外科医院だ。そういうところに勤務している、高い給料に目がくらんで、わずか一週間ほどの研修で美容外科の手術をはじめた医者も2、3年やるとそれなりに無難に手術できるようになる。
「金の儲け方は十分わかった、ここでこき使われてるより独立しよう」と開業する。でも広告に自分の略歴どう書こうかなっと思ったときに、形成外科で研修を受けていないし何にもアピールすることもない、じゃ「大手美容外科で研修」って書いときゃブランド信仰に弱い患者をだませると思って書くんだ。
こんな肩書きの医者は大手美容外科と同じように危ない、医師だ。お金儲けの方法だけ知っていて、肝心の技術はほとんどない。
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