偽装結婚:手口は「背乗り」…フィリピンの女ら6人逮捕
毎日新聞 2014年11月17日 15時30分(最終更新 11月17日 17時25分)
◇愛知県警が電磁的公正証書原本不実記録容疑などで
他人になりすまして日本人と偽装結婚していたとして、愛知県警外事課がフィリピン国籍の女ら6人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑などで逮捕していたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。女らは未成年などの理由で、パブなどで働くことはできないが、「背乗(はいの)り」という手口で別の成人女性になりすまして不法入国。名古屋市内の店で働いていた。
身分証明書などを偽造して他人になりすます「背乗り」は、外国人スパイなどが日本で活動する際に使われているとされる手口。偽装結婚と組み合わせた就労目的の不法入国は全国的にも珍しく、外事課は背後関係など全容解明を進める。
捜査関係者によると、女らは実在する同国籍の成人女性になりすまし、日本人と結婚したとする虚偽の婚姻届を役所に提出した疑いが持たれている。なりすましで就労の年齢制限をクリアし、偽装結婚で在留資格を取得していたとみられる。
外事課は先月27日、同市中区栄4のフィリピンパブ「CLUB WOMAN’S」を摘発し、従業員の女5人を出入国管理法違反(不法在留)容疑で逮捕した。関係者によると、同店は、従業員が若いことを売りに繁盛していたという。
フィリピン人女性の就労をめぐっては、歌手やダンサーを対象とする興行ビザで来日しながら、実際にはホステスとして働くケースが多発した時期がある。その後、米政府から「人身売買に当たる」と問題視され、2005年からビザの審査が厳格化された。ただ、国内ではフィリピン人ホステスの需要が高く、悪質なブローカーらが偽装結婚などで在留資格を取得させるケースが後を絶たないという。【山本佳孝】