上海市場の中国株、世界の動向と連動しないことが買い材料に
11月17日(ブルームバーグ):世界経済が日々の株価動向にどのような影響を及ぼすかを推し量るのにうんざりしている投資家にとって、4兆2000億ドル(約486兆円)規模の中国株式市場への投資はうってつけだ。
バンク・ジュリアス・ベアは上海総合指数 について、米連邦準備制度理事会(FRB)の見通しや日本の金融緩和、世界経済の変動との関係が薄いことが買い材料なると指摘する。上海総合指数とMSCIオールカントリー世界指数の120日相関係数は0.1と、主要株式市場で最低。相関係数は1が完全に一致した動き、ゼロは相関関係がないことを示す。
2001年にブラジルとロシア、インド、中国の4カ国を「BRICs」と命名したゴールドマン・サックス・グループの元エコノミスト、ジム・オニール氏は中国本土市場について「国内の課題に影響される世界2位の経済大国の市場だ」と語った。
世界の投資家は17日に始まった上海と香港の証券取引所との株式注文相互取り次ぎによって、特異性のある中国本土市場に参加する新たな手段を得る。この制度を通じ1日当たりネットベースで235億元(約4440億円)の越境売買が可能になる。
ゴールドマンによると、個人投資家の動きが上海市場の相場を左右しており、ハイテクや消費、比較的小規模な企業への志向が強いことでこれら銘柄のバリュエーション(株価評価)は押し上げられている。ブラックロックは、買い手側は他の市場に比べてより慎重に勢いを見極める必要があると分析する。
バンク・ジュリアス・ベアの香港在勤アナリスト、ケルビン・ウォン氏は「中国の個人投資家は欧米の材料にあまり敏感ではない。主に国内市場あるいは関心を引くセクターに焦点を絞っている」と述べた。
原題:Shanghai Stocks Out of Step With World Key to Their Allure (1) (抜粋)
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更新日時: 2014/11/17 12:47 JST