沖縄県知事選:「民意が私を選んだ」当選一夜明けて翁長氏
毎日新聞 2014年11月17日 10時57分(最終更新 11月17日 13時28分)
◇辺野古移設反対の決意、改めて語る
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に反対し、沖縄県知事選で次点の現職、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)氏(75)に約10万票の大差をつけて初当選した翁長雄志氏(64)は投開票から一夜明けた17日朝、那覇市の自宅で報道陣の取材に応じた。「当選の実感よりも責任感がすごい」と苦笑しながら、「民意が私を選んだ。県民に寄り添いながらしっかり内外に訴えたい」と改めて辺野古移設に反対する決意を語った。
昨夜は午前1時半ごろまで取材対応などをこなし、睡眠時間は3時間ほど。日課にしている草花への水やりを終え、午前9時ごろ当選を伝える地元紙を開きながら取材に応じた翁長氏は選挙戦の疲れも見せず、思いを語った。
知事選初の保革共闘態勢で臨んだ自身の当選について「沖縄の新しい歴史の一ページ。沖縄の自己決定権に基づきしっかり主張していきたい。立場が違う人でも対話を通じて一致できると思う」と語った。
昨年12月の仲井真氏による辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消し、撤回が今後の焦点となるが、翁長氏は「壁が厚いのは十二分に承知しているが、私が当選したのは、沖縄県民が米軍基地では食べていないという明確なメッセージ。沖縄にこれだけの基地を押しつけるのは理不尽ではないかと訴えたいし、知事権限をしっかり行使していきたい」と話した。
仲井真氏に約10万票の大差をつけたことには「海を埋め立てて新しい国有地が生まれ、新しい基地のあり方が続くことへの県民の恐怖感があったのではないか」と分析した。
当選後は辺野古移設を拒む沖縄の民意を日米両政府に伝えることにしていた。「上京して訴えたいが、衆院解散の動きが誤算だった。数日間は様子見したい」と話した。
一方、年内に見込まれる衆院選について「表向きは消費増税の見送りと経済状況が争点になると言われているが、沖縄の基地問題は日本の安全保障に関わる問題。基地問題も争点の中に入ってしかるべきだ」と訴えた。【前谷宏】