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■那覇総局長・松川敦志

 もちろん、翁長雄志氏が勝った沖縄県知事選挙である。

 では、敗れたのは誰なのか。

 時計を昨年12月に戻す。

 名護市辺野古の埋め立てを仲井真弘多知事が認めるかが注目された局面。

 政府は仲井真氏の要望を満額受け入れた3400億円超の振興予算を確保し、仲井真氏は「有史以来の予算。いい正月になる」と笑い、2日後に埋め立てを承認した。

 沖縄ではいまだに不満を聞く。「なにがいい正月だ」「知事の言うことか」。仲井真氏の支持者だった企業役員すら「腹の底から怒りを覚えた」と言う。

 問題は、恨みと嘆きの先に、ひとり仲井真氏だけがいるのかということだ。

 時計をさらに戻す。