新疆ウイグル自治区 高速鉄道が一部開通

11月17日 4時20分

中国の西部、新疆ウイグル自治区を走る初めての高速鉄道が１６日、一部の区間で開通し、中国政府としてはこの地域の経済発展を進めることで少数民族の不満を和らげようとするねらいがあるものとみられます。

開通したのは新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチから東のハミまでの５３０キロで、１６日、高速鉄道の運転が始まりました。
現地時間の午前１１時にウルムチ駅を出発した一番列車の座席は予約の受け付け開始からわずか３０分ほどですべて売れ切れたということです。
高速鉄道の最高速度は２００キロを超え、これまで９時間半かかっていたこの区間を３時間半で結びます。
乗客は窓の外を流れる景色を楽しみながら揺れの少ない高速鉄道の乗り心地を確認していました。
また、高速鉄道の線路沿いには、強い風で車両が横転しないようにところどころに風を防ぐための壁が設置されています。
中国政府は、この高速鉄道を年末までに東隣の甘粛省、蘭州まで延ばすほか、将来的には中央アジア諸国との国境まで延長し、かつてのシルクロードを高速鉄道でつなぐ計画です。
新疆ウイグル自治区では漢族との経済格差などに不満を募らせた少数民族のウイグル族による抗議活動が相次いでおり、中国政府としてはこの地域の経済発展を進めることでこうした不満を和らげようとするねらいもあるものとみられます。