2014.11.17
茶髪とは何だったのか
モーニング娘。から道重さゆみちゃんがいなくなるが、来年以降もある程度の動員は維持できるであろうと思う。キャバ嬢の集まりみたいなのが時代に合ってなかったのが低迷の原因であったし、低迷期と現在のメンバーではまったく気質が違うからである。現在のメンバーは茶髪文化の影響を受けてない世代であるから、躍起になって進歩的な在り方を目指すことはないのである。1990年代は悪夢のような時代だった。最初に携帯電話が普及して次にインターネットが来るという格好であったから、本格的なネットの普及を前にして、進歩的なメディアがフリーセックスを煽ったわけである。茶髪というのも非処女の象徴として選択されたスタイルである。日本人に似合いもしない茶髪にするのはセックスアピールのつもりなのである。00年代に入ってからはネットが本格的に普及したので、進歩的なメディアの力はかなり弱まったわけである。宮台真司の娘は売春をしないであろうし、朝日新聞社員の子どもは偏差値が高い学校に行くわけである。つまり進歩的な価値観とは他人の子どもへの無責任さに他ならない。1990年代は日本の文化史を語るに際して外せないはずだが、ほとんど汚点ばかりなので、女子高生ブームなどはなかったことになっている。ともかくここのところ進歩的文化人が影響力を失っているので、フリーセックスを煽ってポストモダンへ移行するという連合赤軍のようなメンタリティーは消えつつある。他人の子供を思想的に動員するのではなく、自分の子どもをどう育てたいのかという発想に切り替わっているのである。ここのところアイドルブームが復活してきたのも、茶髪の衰退が原因である。黒髪のアイドルを応援する時代なのである。朝日新聞読者も減っているであろうから、他人の子どもをポストモダンの戦場に送り込むという流れは消えているし、われわれはアイドルを自分の子どものように応援しているのである。黒髪のイノセントな雰囲気は、朝日新聞的には中世への後退なのであろうし、ポストモダンの戦塵にまみれた茶髪こそが望ましいのであろうが、そのような思想的動員はもはや不可能なのである。育ちの悪さが売り物だったモーニング娘。も、上品な黒髪の子に切り替えているわけであり、時代は完全に変わった。
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