北京のランダム・ウォーカー

中国を中心としたアジアを再構築する---習近平主席がAPEC前半で見せた気骨と気迫

2014年11月17日(月) 近藤 大介
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〔PHOTO〕gettyimages

まさに先週は、習近平「皇帝」の独演会だった。日本では、10日に行われた安倍晋三首相との「不愉快な25分会談」だけがクローズアップされていたが、習近平主席にとって、安倍首相との会談は、自らが「習近平外交」を描く巨大なキャンバスの中にある一点の「小さな傷」のようなものだ。日本人にとって甚だ不快ではあるが、事実は事実である。

APEC期間中、近平主席は、ざっと次のようなスケジュールをこなした。

11月7日: タジキスタンのラフモン大統領、カンボジアのフンセン首相と会談

11月8日: ミャンマーのテインセイン大統領、バングラデシュのハーミド大統領、ラオスのチュンマリー主席、パキスタンのシャリフ首相、モンゴルのエルベクトルジ大統領と会談。相互パートナーシップ強化対話会議、並びに演説

11月9日: APECビジネスリーダーサミットの開幕式に参加し、講演。インドネシアのジョコウイ大統領、香港特別行政区の梁振英長官、台湾両岸共同市場基金会の簫万長名誉会長、カナダのハーパー首相、タイのバーユ首相、シンガポールのリーシェンロン首相、ロシアのプーチン大統領との会談

11月10日: マレーシアのナジブ首相、韓国の朴槿恵大統領、ベトナムのジャンシェンチュアン主席、ブルネイのハサンナスルタン、日本の安倍晋三首相、パプアニューギニアのオニール首相と会談。APEC首脳及びビジネスカウンセル理事会代表との対話会。APEC首脳及びビジネスリーダーたち及び配偶者の歓迎式典。「水立方」で晩餐会、演説。

11月11日: 午前9時半から午後4時までAPEC第22回サミット。記念講演。代表たちと「アジア太平洋パートナーシップの林」で植樹。フィリピンのアキノ大統領と短時間の懇談。「北京綱領」と「25周年声明」の発表。APECサミット閉幕の祝辞。内外との記者会見。オバマ大統領と中南海で会談

11月12日: オバマ大統領と人民大会堂で米中首脳会談

11月13日: メキシコのペニア大統領と会談

以下、もう少し詳細に振り返ってみよう。

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