爆速で商品が売れる場所にーーサブカル特化のフリマアプリ「A2mato(アニマート)」が資金調達し、オークファンと業務提携
アニメ・同人専門のフリマアプリ「A2mato(アニマート)」を運営するセブンバイツが、サイバーエージェント・ベンチャーズ、East Ventures等を割当先とした第三者割当増資とオークファンとの各種連携を実施していくことを発表した。
リードインベスターはサイバーエージェント・ベンチャーズで、East Venturesの他、岡田龍氏と柴田修氏ら2名の個人投資家が出資している。調達額は非公開。
セブンバイツの運営する「A2mato」は、アニメグッズ、同人誌、マンガ、ゲーム、コスプレ用品、フィギュア、カードなどのアニメ・同人関連商品特化のC2Cフリマアプリ。今年の1月にリリースし、現在、累計出品数は25万件を超えている。
オークファンとの業務提携
今回の資金調達に合わせ、セブンバイツはオークファンと業務連携を行う。相互事業の発展を推進していくため、既存株主から株式譲渡をする形でセブンバイツの株式をオークファンが取得している。
オークファンが運営する「aucfan.com」が過去蓄積してきた約200 億件以上の商品・価格情報のデータと、「A2mato」が持つデータの親和性が高いことから、各種データ移管を進める等の連携を随時実施していく。
澤田氏「連携が進めば、「aucfan.com」上から「A2mato」に出品されている商品を検索できるようになったり、データAPIを提供してもらうといったことが可能になります。
CtoCコマースのユーザはネットリテラシーが高くない若年層が多く、商品の相場がわからないことが多い。なので、商品ページに相場データを表示させるといったデータ連携などを進めていく予定です」
UIを抜本的に変えて数字が改善
「A2mato」は1月のリリース以降、10ヶ月ほどが経過した。今ではかなりヘビーに使うユーザも登場してきているという。
澤田氏「リリースから1年近くが経過して、ヘビーに使ってくれるユーザも登場しています。月に10万円ほど購入するユーザも。腐女子と呼ばれる属性の人々が多く、好きなキャラのグッズを全部買う、といった行動をしている人もいます」
「A2mato」は最初から調子がよかったわけではない、最初の3ヶ月ほどは伸び悩んでいたという。
澤田氏「抜本的にUIを改善しました。ワンカラムからツーカラムに変更し、一覧性を高めました。UIをガラッと変えてからユーザ数が伸び、4月以降は成長を続けています。
直近では、前月比で母数となるユーザ数に対して20〜25%ほど数字は伸びています。ユーザ数が増えてきてから、リテンションも40%以上とユーザが残るようになってきました。これで、出品数が伸びたらまだまだ数字は上がると考えています」
出品から即座に購入される状態へ
アプリのUIを改善し、ユーザ数・リテンションの伸び率は作れた。ここから「A2mato」は次のチャレンジに移行する。
澤田氏「うちのアプリでは、早くても出品した商品が売れるまでに5分はかかっている状態です。出品から売れるまでの時間をどれだけ短くできるか。ここにチャレンジしていきます」
マーケットプレイスは商品の豊富さが肝になる。出品数を増やすためには、売り手が商品を出品したくなる場所になっていることが不可欠だ。
バーティカルのフリマアプリの今後
澤田氏「売る側にとっては商品が売れればいい。買う側にとっては買えればいい。そうなれば、ひとつのアプリだけではなく、フリマ関連のアプリを色々試す人が多いのではと思います。
そうなってくると、早く売れるところが勝つ。「A2mato」ではユーザの母数を確保して、検索性を向上させることで商品の購入が決まるまでの速度を上げていきます。取り扱っている商品のジャンルを絞っているので、メルカリやFrilといったフリマアプリと比較してマッチングがしやすい。
加えて、うちのアプリオリジナルの商品を開発して購入できるようにするというビジネスサイドを深ぼってくことで、差別化を図ります。かつてはヤフオクとビッダーズが共存したようにフリマアプリも共存が進むのではないかとみています」
「A2mato」は、流通総額を半年で月次1億円、1年で月次2億円を目指している。広告で露出を増やしていけば、ユーザ数は伸びると予測しているという。
そのため、今回調達した資金は、「A2mato(アニマート)」のマーケティング活動の積極化に活用するほか、ユーザーサポートの強化、機能拡充を積極的に推進していく。