山岸一生
2014年11月16日23時38分
沖縄の答えは「辺野古ノー」だった。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画の是非が争点となった沖縄県知事選。前那覇市長の翁長雄志氏(64)が掲げた「移設阻止」の旗に、多くの県民が思いを託した。
「県民が私たちより先を行っていた。そこにたどりついて、沖縄の政治が動き出した」。支援者ら約200人が集まり、当選を喜ぶ指笛や三線(さんしん)が鳴り響く那覇市の集会場で、翁長氏は選挙戦をこう振り返った。
「ウチナーンチュ(沖縄の人)の誇りを持ち、オール沖縄で、歴史の一ページを開こう」。ヤマト(本土)に対峙(たいじ)する沖縄――という翁長氏が描いた構図が広く県民の共感を得た。
「イデオロギーよりアイデンティティー。保革を乗り越えるという姿勢が示せた」。翁長氏があげた勝因の一つだ。「オール沖縄」を結実させたという自負を背景に「基地問題の解決、自立経済の発展、アジアの中の沖縄を視野に入れ、頑張りたい」とも語った。
早い段階から翁長氏に出馬を求めてきた名護市選出の県議、玉城義和氏は語る。「辺野古移設への怒りの広がりに加え、党派を超えた沖縄の結集を主張してきた翁長氏だから、ここまでまとまった」
父は旧真和志(まわし)市(現那覇市)の市長、兄は副知事を務めた政治家一家に育ち、自民党那覇市議、県議、県連幹事長を歴任。県内保守政界の王道を歩み、県議時代の1999年には県内移設推進の決議を主導した。
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