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 沖縄県知事選で、県民は米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設という国策に「ノー」を突きつけた。初当選の翁長雄志氏(64)の公約は「辺野古阻止」。安倍政権が移設作業を淡々と進めようとするなか、翁長氏は抵抗策を模索する。

 「オール沖縄、大きな輪ができた。党利党略を超えて心を一つにできたことが大きい。日本も変わってもらい、全体で(基地)負担をしてもらいたい」。16日夜、当選を決めた翁長氏は支援者を前に語った。

 一方で「難しい課題がこれからも出てくる」と気を引き締めた。辺野古移設の「断固阻止」を主張して当選した翁長氏にとって、「課題」は自ら掲げた看板をどう実現するかだ。

 仲井真弘多知事(75)が昨年末に辺野古沿岸部の埋め立てを承認し、工事には既にゴーサインが出ている。翁長氏の当選だけではその有効性は消えない。国は、早ければ年度内にも埋め立てを始めたい考えだ。

 翁長氏は12月10日に知事に就任する。選挙戦で承認の撤回や取り消しは明言しなかったが、就任後は仲井真氏の承認の経緯を検証する方針。経緯に問題があれば撤回や取り消しも可能との考えだ。一方で、行政法の専門家らからは撤回・取り消しについて「県が審査して出した結論を覆すのは極めて難しい」といった指摘も出ている。

 これとは別に翁長氏は、移設計画の「変更申請」への対応を迫られる。

 防衛省は9月、辺野古の埋め立て工事の一部の作業工程を変更したいと県に申請した。移設反対の稲嶺進・名護市長の協力が得られないことから、市が関わる手続きなしに工事を進めるためだ。県は月内にも、知事が承認・不承認を判断するための準備を終えるとみられる。

 仲井真氏の任期は12月9日まであるが、県幹部は「新知事の判断を仰ぐのが常道だろう」と話し、翁長氏に判断が委ねられる公算が大きい。翁長氏は当選を決めた後、「厳しくチェックする」と語った。