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「核のゴミ」回収技術開発へ試験始まる11月17日 4時20分
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原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」を地下深くに埋める処分場選びを後押ししようと、将来問題が見つかった場合などに再び回収する技術の開発に向け、初めての本格的な試験が始まりました。
試験は国の事業として千葉県内の研究施設で始まりました。
国は「核のゴミ」を地下深くに埋めて処分する方針で、処分場に適した場所の絞り込みを始めていますが、将来よりよい処分方法が実用化された場合や埋めた廃棄物の安全性に問題が見つかった場合に備え、回収技術も必要だと指摘されています。
施設に作られたトンネルの床には深さ4メートル近い穴が掘られ、放射性物質を含まない模擬の廃棄物が保護材の粘土に覆われた状態で埋められています。
実際の処分場は高い放射線にさらされるため、作業は6台のカメラを使って遠隔操作で行われ、ノズルから塩水を吹き付けて、固まった粘土を崩し、水とともに別のノズルで吸い上げて、廃棄物を回収できるようにしていきます。
核のゴミの回収技術の開発には、国民の安全性への不安を和らげ処分場選びを後押しするねらいがあります。
ほかにも廃棄物を粘土ごと回収できるようカプセルに入れて埋める方法が考案されていて、今後より実用性に優れた技術を検討していくということです。
試験を行っている原子力環境整備促進・資金管理センターの朝野英一さんは「核のゴミを巡ってさまざまな議論があるが、今ある技術でも回収できることを確かめ、国民の安心につなげたい」と話しています。