安倍首相:総選挙準備を指示 解散は最短で19日
毎日新聞 2014年11月14日 07時00分(最終更新 11月15日 19時45分)
安倍晋三首相は衆院を来週解散して年内に総選挙を行うことを決断し、選挙準備に着手するよう自民党に指示した。首相は17日に帰国後、来週中に記者会見し、来年10月の消費税率10%への引き上げを延期する方針を表明。あわせて解散の理由を説明する。解散は最短で19日だが、安倍政権が重要法案に位置付ける「まち・ひと・しごと創生(地方創生)」関連2法案の参院本会議採決が21日にずれ込んだ場合、解散も同日になる見通しだ。
首相は10日、訪問先の北京から伊吹文明衆院議長に電話し、衆院解散と消費増税の先送り方針を伝えた。これに先立ち、自民党の谷垣禎一幹事長に選挙準備を急ぐよう指示。谷垣氏は13日、自民党の当選1回の衆院議員を対象にした会合で「衆院議員は常在戦場だ。緊張感を持って臨んでほしい」と呼びかけた。
任期4年の折り返し段階での解散には、自民党内に「大義がない」という不満もあるが、首相の決断を支持する流れが強まっている。大島理森前副総裁は13日、「首相が決断し、信を問うことが決定したとみていい。判断の理由を来週中には明確にされるだろう」と記者団に語った。そのうえで「安倍政権はデフレからの脱却、集団的自衛権行使容認、地方創生、女性活躍などさまざまな課題に挑戦してきた。国民に信任を問い、(施策を)力強く推進したいという思いではないか」と述べた。
金子一義元国土交通相は岸田派の会合で「首相の解散する意思は固いと党の主要幹部から聞いた。日程もそれなりに固まっているようだ」と指摘した。
首相は豪州で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席後、17日に帰国する予定。同日、東京都内で開かれる公明党の結党記念集会に出席し、山口那津男代表と意見交換する見通しだ。18日には消費増税について有識者から意見を聴取する「点検会合」が終了し、首相が解散を正式に表明する環境が整う。
首相は選挙日程を「12月2日公示−14日投開票」を軸に調整しているが、「12月9日公示−21日投開票」の可能性も残っている。来年度予算編成は越年する公算が大きい。与党税調は来年1月初旬に税制改正大綱を決定する方針だ。【笈田直樹】