154億円かけた「夢の高速船」 完成直後に計画頓挫で放置中

Pocket
LINEで送る

記者 : カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :

広島・江田島で解体される日を待つ「夢の高速船」

 景気対策の名のもとに政府が推し進める巨額公共事業の数々。しかし杜撰な計画ゆえ大失敗に終わり、国民の血税が泡と消えてしまうケースも少なくない。そんな“欠陥事業”のなれの果てのひとつが、東京都小笠原村にある「テクノスーパーライナーおがさわら」(TSL)だ。

 1989年に運輸省(現国土交通省)が研究補助金として投じた血税は39億円。さらに建造費115億円を費やし2005年に完成した「TSL」。全長130メートル、重量1万4500トン、740人収容可能で、アルミ合金製船舶としては世界最大級だった。ホバークラフトのように浮き上がり最高時速は72キロ、現在26時間かかる東京~小笠原諸島間を16時間で結ぶ“夢の高速船”と注目された。

 ところが、完成直後の原油価格の高騰で年間20億円の赤字が試算されるや計画は頓挫。日本政策投資銀行などが出資する船の所有会社は2013年7月に121億円の負債を抱えて倒産、TSLは1度も就航することなく広島・江田島の港で解体の日を待っている。

撮影■太田真三

※週刊ポスト2014年11月21日号


(NEWSポストセブン)記事関連リンク
“統一球最大の被害者”巨人・小笠原 限界説を払拭できるか
昨年事業断念した枕崎空港 今は3万枚超の太陽光パネル並ぶ
日本最東端の南鳥島 父島の雑貨商が遭難・漂着の末に発見

NEWSポストセブン

NEWSポストセブン

記者:

「NEWS ポストセブン」は小学館が発行する「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」「マネーポスト」4誌を統合したニュースサイトです。各誌の最新記事・コラム等をネット用に再編集し、掲載するほか他のニュースサイトにも配信します。

ウェブサイト: http://www.news-postseven.com/

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事をシェアしよう!

  • mixiチェック
  • ガジェット通信をフォロー≫
Pocket
LINEで送る

関連記事
新着記事一覧

TOP