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「悲しみや苦しみ あの日のまま」 奈良・小1女児殺害から10年 有山楓ちゃんの父が手記

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「悲しみや苦しみ あの日のまま」 奈良・小1女児殺害から10年 有山楓ちゃんの父が手記

有山楓ちゃん(遺族提供)

 奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年の有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件は17日、発生から10年を迎える。楓ちゃんの父、茂樹さん(40)は、現在の心境や昨年2月に死刑が執行された小林薫元死刑囚=当時(44)=について、奈良県警を通じて手記を公開した。全文は次の通り。(表記は原文のまま)

 今年で楓が被害にあったあの日から10年が経(た)ちました。10年は長くも感じますが変わることのない悲しみや苦しみはあの日のままです。

 あの明るい笑顔や仲の良かった姉妹、事件がなければ今はどんな毎日を送っていたのだろうと考えてしまいます。家族を守れなかった後悔はこれからも消えることは決してないと思います。普通に過ごす毎日がどんなに幸せか、何気ない会話がどれだけ楽しいか、奪われた命が私たちにとってどれだけ大きく大切であったかを痛感する毎日です。楓が生きていれば今は高校2年生です。楓の妹も時々高校生の楓と遊んだ夢をみます。きっと賑(にぎ)やかな毎日で、たくさんの友達と遊び、色々やりたいことに取り組んでいたのだろうと思います。これからも忘れることはありませんし、今も私たちの思いの中で生き続けています。

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