アニまるっ!
けいおん!裏のスタッフインタビュー
8日目 - アソシエイトプロデューサー ふじま

今回はなぜか私が、みもぞ〜さんにいろいろと質問をされてきまして…。
ますますゆるい取材になってしまいました…(´;ω;`)

インタビュアーみもぞ〜:み アソシエイトプロデューサー ふじま:ふ

み:まずはじゃあ、自己紹介をお願いいたします。

ふ:えっと…こんにちは、TBSのふじまです(汗)。

み:はい。ではスリーサイズを教えてください。

ふ:え、あ…上から…って言わないですよ!

み:はい、じゃあ失敗したということで本題入りましょうか。

ふ:切り替え早いですね!

み:では『けいおん!』シリーズ放送中と映画上映中の当時を振り返ってみてどうですか?

ふ:いろいろありましたが、楽しかったり嬉しかったりしたことしか思い出せないです。
本当にたくさんのことがあったんですけど、具体的に何かって言われると思い出せなくって…がむしゃらになって走り切ったんだなと改めて思います(笑)。

み:すごいよね、もう5年前だもんね。

ふ:はい。スタートから考えるともう5年経ってしまったんですけど、本当に私の全部を唯たちにあげたなぁって思います。青春とか若さとか(笑)。
今、思い返せば年齢的には遊びたい盛りの年齢だったはずなのに、全部を置いてきましたね。
大変でしたけど、だからこそすごくやりがいもあったし、とっても楽しかったです。

み:シリーズ通してお気に入りのキャラクターはいますか?

ふ:キャラクターは、どこで聞かれてもこう答えていたんですが、登場する全員が大好きです。
中でも放課後ティータイムの5人の関係性が好きです。
私は中学高校と女子校出身なので、学生時代は本当に唯たちのような感じでした。
5人やクラスメイトとのやりとりを見ながら、自分も学生時代はあんな感じだったなあと、シナリオの打ち合わせの時からずっと懐かしい気持ちで見ていました。

み:じゃあ好きなシーンは?

ふ:好きなシーンは、第1期の最終回。学園祭ライブで、ムギちゃんが率先してセルフアンコールをするところと、唯がしりもちをつかないでふんばるところです。
唯は1話では転んでしまうんですが、最終回でふんばるんですよね。編集スタジオで映像を見ながら、鳥肌が立つくらい感動した記憶があります。

み:なるほど。でもそれって床磨きが足りなかったんじゃないの?

ふ:え?!

み:第1話の時は、床がすごく磨いてあったから転んじゃったけど、最終回のときは磨きが足りなかったんで滑らなかっただけとか(笑)。

ふ:う、憂ちゃんの掃除が足りなかったんですかね…(笑)。

み:…っていうか、ふじまさんってどんな仕事しているんだっけ? 今さらだけど。

ふ:私もよく聞かれてそのたびに考えるんですが、『けいおん!』に関してはいったい何の仕事をしていたのかまったく分からないくらい…何でもやって、どこにでも行っていた気がします。

み:俺らペーペー組はなんでも屋っていうのが多かったよね。

ふ:はい。キャストやスタッフの皆さんが滞りなく制作進行できるように、何か引っ掛かったことがあれば、それをひとつひとつ解消していくことが仕事だったと思います。だから、その当時具体的に何をしていたのか分かりません(笑)。

み:例えるならば潤滑油のようなものなんだろうね。調整係というか。

ふ:そうですかね。他の作品のプロデューサー業務ではやらないようなことばかりをやっていたと思います。
みもぞ〜さんも他の作品で商品化窓口を担当した時にはやらないようなことばかりやっていたんだろうなって思います。
『けいおん!』はそれぞれのポジションにいる方たち全員が、普段管轄外のいろいろなことをマルチに率先してやることが多かった気がします。その分、新しいことがたくさん出来ました。

み:「自分はこれしかやりません、あなたはここまで」っていう仕事の分け方はしていなかったよね。
仕事を回す上では大変だったけど、よりスタッフ同士の仲間意識が芽生えて、お互い協力しながら頑張ったというのはあるかもしれないね。

ふ:だからかは分かりませんが、『けいおん!』スタッフは本当に仲が良かったです。何かを一緒に乗り越えた戦場の絆みたいなものが生まれているような気がしました(笑)。

み:当時の今だから言える、楽しかったことや嬉しかったことはありますか?

ふ:まず、公式ホームページで掲示板をやらせてもらったこと。あれは本当に楽しかったです。
番組の掲示板ってTBS作品で、これまでにもやったことはあったんですが、ファンの方が書き込んでくださったメッセージすべてにお返事をして掲載するというのは初めてだったんですよ。
『けいおん!』がまだまだ皆様に周知されていなかった頃に、草の根活動でやろうと思って、プロデューサーの中山さんに提案したら、「いいよ」って言ってもらえたのでやり始めました。

み:あの企画はふじま発だったんだね。

ふ:はい。そういうわけで“全レス”っていうのをポリシーに掲げてやり始めたんですけど、いただくメッセージの99.9%が応援コメントで感激しました。
スタートの時に一番気にしていたのがそこで、この企画をやることで逆に作品がおとしめられたら、どうしようと思っていたんですが、全然そんな心配いらなかったです(笑)。
放送やイベントのたびに投稿してくださる方もいて、本当にあたたかいメッセージばかりでした。
それに、ファンの方のリアルな生の声として、それをスタッフが読んで商品化やイベントに繋がったりしたこともありました。特に第1期の放送終了直前、第2期をやるかやらないかとなった時に、掲示板に寄せられた第2期を希望するメッセージを全部印刷して、それをダンボールに詰めて、中山さんがさらにエライ人に持っていったんですよ。
すごい量だったんですけどね。これだけの方々が待っているからやらせてほしいって。

み:へ〜!そうなんだ。知らなかった!

ふ:制作側とファンの方との距離がぐっと近づくきっかけに出来たかなと思います。

印刷した紙の写真

↑スタッフブログにも、こっそり掲載したことがあります(笑)。

み:夜遅くまでカタカタと返信を打っている姿を何回も目撃したよ。俺が印象に残っているのは「みもぞ〜さんというのは、象ですか? 人ですか? 」っていうコメントに対して「変態です」って答えていたこと。ひどいことを書くなあと思いながら、ビクンビクンしていた記憶がある(笑)。

ふ:つい…(笑)。

掲示板

ふ:あと、横浜アリーナで行われた「けいおん! ライブイベント〜レッツゴー!〜」で、第2期の制作発表があった時!
私はステージの裏にいたんで、会場がどのような感じなのか分からなかったんですが、その発表の瞬間、地鳴りのような「ドドドド〜!」っていうのが聞こえて。
こんなに喜んでいただけているんだなあって、本当に嬉しかったです。

み:やっぱり好きな作品だとそういう時間を共有したいっていう気持ちがあるんだけど、我々裏方ってそういう時間を表からお客さんと一緒に見られることって少ないんだよね。

ふ:そうなんですよ!でも、真っ暗な裏にいても「ぐわあ〜!」って空気が揺れる感じがあって、すごく感動してじ〜んとした記憶があります。それと、もうこれで緘口令が終わる!っていう嬉しさがありました。
第2期のことは何が何でも、とにかく黙ってなければいけなくて、ライブイベントのこの発表まで、ずっと隠していたので。
心の荷が下りたと言いますか…流出しなくて良かった〜って(笑)。24時間気を遣っていましたから。

み:情報が漏れないようにしなきゃいけないっていうのはお互い大変だったね(笑)。

み:打ち合わせなどの中で、ハプニングなど面白いエピソードがあれば教えてください…う〜ん、これは面白い出来事かわからないけど、俺、よくコスプレさせていたよね。

ふ:…? ああ〜! させられていましたね!
制服や、学園祭の時の衣装を制作している時ですよね。
その監修で、誰かが着ている姿を見なくちゃいけないんで、着せられていました。

み:制服とか学園祭の衣装は着てくれたけど、水着は着てくれなかったよね。

ふ:未だに言いますよね!

み:うん。あずにゃん水着のふじまと一緒に海に行って、撮影大会をするって言っていたのに未だ実現できず。

ふ:いや〜もう無理です! 放送していた頃は着れたかもしれないけど…いや、当時も無理です!

み:制作中、気を遣っていた点はありますか?

ふ:とにかく「唯たちを守る」という使命のもと動いていた気がします。これはもう私だけではなくて、スタッフ全員がそうだったと思います。

み:レギュレーションがすごく厳しかったよね。唯はこういうことはしないとか、作品のテイストとしてこういうことはやめようとか。本来はもっといろいろやろうと思えば出来ることもあったかもしれないけど、それをやることで作品にとって良いのか悪いのかっていう議論になると「止めよう」ってなる方が多かったかもね。

ふ:商品化では特にそうですよね。まるで自分の娘や家族のように思いながら、スタッフ全員で彼女たちを守ってきたと思います。

み:第1期、第2期、映画を走りきったことを踏まえて、『けいおん!』はふじまさんにとってどのような作品になりましたか?

ふ:本当にかけがえのない、とても大切な作品です。
人生の大切なもの、全部を唯たちに捧げましたので。
先日、『けいおん!』の音楽プロデューサーをやっていたポニーキャニオンのオカモさんと食事する機会があって。第1期Blu-ray Disc BOXの特典のスタッフメッセージコレクションに、2人ともコメントを寄せていたんですが、私のコメントを見て、会社のデスクで泣いたって言っていました(笑)。
当時は、オカモさんも『けいおん!』一色で、しかも作品の要となる音楽チームですから、私なんかよりもずっとずっと、いろいろなものを犠牲にして作品と向き合っていたと思います。
スタッフ全員が『けいおん!』を第1に考えて、誰も片手間でこなすような仕事の仕方をしている人はいなかったですから。私にとっては絶対に忘れられない作品になりました。

み:『けいおん!』ファンの皆さまへメッセージをお願いします。

ふ:長く長く『けいおん!』を応援してくださって、本当にありがとうございます!
なんだかこのインタビューの企画自体同窓会みたいになっていますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
この「アニまるっ!」でも、まだまだ『けいおん!』の新商品やキャンペーンなどを仕込んでいる最中なので、引き続き皆さまに喜んでいただけるよう、唯たちと一緒に頑張りたいと思います!
もしご要望あれば、「アニまるっ!」バイトリーダーのまるちゃんにも教えてあげてください(笑)。

み:それでは最後に…せーのっ!

ふ:けいおん!大好きーー!!!

…それではまた明日っ(;>ω<)ノシ