石田のヲモツタコト

書いてるのは 石田剛 です。

『このお話を、各学級に下ろしてください』

 小学校*1の校長先生に書いた手紙をひとつ、公開することにした。この手紙には主題の話のほか、余談の話*2も書いたが、それは削った。強調と脚注は、すべて公開するにあたって補ったもの。

 この手紙について、取り次ぎをお願いした先生から『渡した』旨の応答はあった。校長からは、『読んだ』とも『読まない』とも、まったく応答が無い。しかしそれは、子どもが応答の手紙をなくすなどしたのかもしれない。

 手紙の本文中に、「だれかに話を伝えるときに使う『達する』という言葉は、上下関係がある場合にしか使わない」旨の記述があるが、これは石田の誤解によるものかもしれない。けど、あえてそのままにした。

村上校長先生


 お世話になっております。
 鶴一小PTA 3年2組 学級代表 の石田です。


 先日の PTA運営委員会 で、気付いたことがあります。 PTA役員 の方*3は、運営委員会で話したことを、各学級でも周知すべき場合に、『このお話を、各学級に下ろしてください』とおっしゃっていました。


 村上先生はご存知でないかもしれませんが*4、元来、小学校の PTA の組織には、上下関係は一切ありません。小学校の PTA では、会長も、役付きでない会員も、まったく同じ権利と義務を共有することになっています。もちろん、学校職員である会員であるところの、村上先生もまったく同様です。これは、小学校の PTA にとって、極めて重要な特長であって、 鶴一小PTA の会則も、このことを大前提としています。役員のみなさんは、そのことをご存知でない可能性が高いようです。ぜひ、先生から、役員のみなさんに、このことをお伝え願います。これは、重要な事です。


 本来なら、このようなことに、わざわざ先生のお手を煩わせたくはないのですが、石田には、直接 PTA役員 の方々にお伝えする手段が、運営委員会で会うときくらいしか無いので、先生にお願いすることにしました。先生が引き受けていただけないなら、次回の運営委員会で話すことにします。



 石田は、私企業の従業員だったり、町田市の特別職公務員だったり、明確に上下関係と、指揮および命令系統のある組織にも属しています。それらの組織では、明確に上意下達する場合であっても『下ろす』などという言葉は使いません。そういう場合は、『周知する』『達する』などの言葉を使います。


 石田は、極めて上下関係の厳しい学校の学生だったこともありますが、そこでさえ『下ろす』などと言う方は居ませんでした。ちなみに、その学校では『達する』と言っていました。


 PTA の場合は、明確に上下関係が *無い* のだから『周知する』などが日本語として適当です。『達する』は、上下がある場合に使う言葉*5ですので、 PTA では使うべきでないですね。


 子どもらに日本語を教えることも、小学校の先生方の、極めて重要な仕事ですので、ぜひ、子どもらのお手本にふさわしい、良き日本語話者として振る舞ってください。



 ところで、例えば町田市教育委員会や、都教委などから、各学校の職員に周知すべき通達などがあった場合に、『この通達を各学校に下ろす』といった表現が使われる場合は、ありますでしょうか? よろしければ、その有無をご教示いただけましたら幸いです。


 『通達』の『達』は、『達する』の『達』ですから、こういう場合は『達する』が適当ですね。けど、その場合でも『周知する』と言ってもまったく差し支えありません。これは、いわゆる『謙譲の美徳』ってやつです。



 閑話。


 もっとも、石田は個人的に『謙譲の美徳』という言葉が、あまり好きではありません。この言葉は、主張すべきことを主張する方に『黙れ』と言う代わりに使われることが、ときどきあります。むしろ、『謙譲』の態度を示さない方への、傾聴の姿勢や寛容さを保ちたいと、石田は心がけています。


 石田は『過ちて正さず、これを過ちという』とか、『過ちを改めるに、はばかる事なかれ』といった言葉が好きです。これらの言葉には、過ちを犯した方への寛容さがあります。


--
石田剛 IshidaTsuyoshi

*1:特定しておく。町田市立鶴川第一小学校だ。

*2:たぶん、またこんど公開することになる。

*3:念のため年度を特定しておく。2014年度 の役員の方だ。

*4:石田が 2014年 の春頃に、この校長と会って話した際、石田から校長に「校長先生も会員なんですよ」との旨を述べると、校長は「確かに私も PTA の会費は払ってますが、会員ってことはないと思いますよ」と述べていた。

*5:上にも書いたが、これは石田の誤解である可能性がある。