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【ロケ地巡りの旅】ドラマ「仮面ライダー鎧武」古代遺跡思わす石切り場跡

産経新聞 11月16日(日)16時3分配信

 群馬県太田市藪塚町の丘陵地に広がる「やぶ塚温泉郷」。市中心部からやや離れ、隣接する桐生市に近い自然豊かな閑静な場所にある温泉街は、天智天皇の時代に行基上人が見つけ、新田義貞が鎌倉攻めの際、傷ついた兵士を湯治させたとされる。周辺には数多くの観光名所が点在。なかでも、不思議な雰囲気を醸し出しているのが山中にある「藪塚石切り場跡」だ。

 石切り場跡は「県立東毛青少年自然の家」近くにある。駐車場に掲げられたハイキングコース案内板の指示に従い歩き始めると「石切り場コース」の小さな立て看板が目に入る。看板は「雷電山コース(雷電山)、石尊コース(茶臼山)」と書かれている。矢印通り脇道に入り木々が生い茂る山道を10分ほど進むと、目の前に現れるのが古代遺跡のような石切り場跡。迫力のある光景には圧倒される。

 石切り場は、高さ約30メートルの垂直に切り立つ石壁が四方を囲み、藪塚石を切り出した場所。藪塚石は火山灰が堆積して固まった凝灰岩で、価格が安く加工しやすいことから、カマドなどとして使われていた。本格的に切り出されたのは明治時代からで、大正時代に東武鉄道が敷設されると、販路が拡大し、最盛期を迎えたという。だが、藪塚石の欠点は水に弱く、中に小石があり、層に割れ目が多いことなどが嫌われ、昭和30年頃に採掘跡を残して閉山した。

 ここで撮影されたのが、特撮テレビドラマ「仮面ライダー鎧武/ガイム」。圧倒的な力を持つオーバーロードの王・ロシュオがいる石切り場の舞台となった。

 石切り場跡は、意外にも小規模だった。記者が訪れた日の山道は、降雨の影響だと思われるぬかるみがあり、歩きづらかった。距離はあるが、ハイキングコース通りに進むと比較的、簡単に石切り場までたどり着く。不気味なほど静かで、ほとんど人が来ない場所だが一度、見学してみてはいかが…。(前橋支局 平田浩一)

 あらすじ 平成仮面ライダーシリーズ第15作。閉塞(へいそく)感を覚えた若者たちは、特殊な錠前ロックシードを用いた対戦競技インベスゲームに没頭していた。ある日、街中に奇妙な切れ目を発見した葛葉紘汰(佐野岳)。亀裂の向こうには森が広がり、獣インベスが敵意をむき出しに襲いかかる。紘汰は森で拾ったベルト戦極ドライバーにロックシードをはめ込み、アーマードライダー鎧武に変身。インベスの撃破に成功するのだが…。

 シリーズで初めての戦国武将を全体のモチーフに、錠前を使いフルーツの意匠を持つ鎧・武器を装備して戦う設定。ロシュオは27話から登場。原作は石ノ森章太郎。平成25年10月〜26年9月まで、テレビ朝日系列で放映された。

 アクセス 群馬県太田市藪塚町3433の1。近くにある県立東毛青少年自然の家までは車の場合、茨城、栃木からは北関東自動車道を経て、太田藪塚インターチェンジから県道315号、294号、78号経由で約15分。電車の場合は、東武桐生線「藪塚駅」から徒歩約30分。

最終更新:11月16日(日)16時3分

産経新聞

 

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