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 従来のスマートフォン(スマホ)より安く使えるという「格安スマホ」が注目を集めています。月額基本料金が半額から3分の1というのが最大の魅力ですが、機能面では制限もあります。メリットとデメリットを探りました。

 格安スマホの通信会社は自前の基地局を持たず、ドコモなどの通信網を「間借り」している。このため設備の保守費用を抑えられ、通信料金を安く設定できる。電話機(端末)も機能を落とすなどした割安の機種を販売している。

 秋田県の主婦松田恵さん(48)は7月、ソフトバンクの携帯電話からイオンの格安スマホに替えた。

 以前はスマホが普及する前のいわゆる「ガラケー」で、通信料金は月3千~4千円だった。通常のスマホの通信料は一番安いプランでも6500円かかるが、イオンの基本料金は1350円(端末代は別)。「ガラケーより安いのが決め手になった」と話す。

 インターネットで注文すると、4日後に端末と電話番号情報などが記録されたSIMカードが届いた。マニュアルを見ながらSIMカードを端末に差し込み、電話やインターネットの設定をした。

 家族間の連絡はメールからメッセージをやりとりする無料アプリ「LINE(ライン)」に変わった。LINE同士は無料通話ができるので、基本料以外の通話料金はほとんどかからない。端末代などに1万9千円を払ったが、月々の料金は1600円ほど。9月には夫も同じスマホに替えた。「月々の利用料は夫婦で5千円ぐらい安くなった」

 ただ、ガラケーの時に使っていた携帯メールが使えないのは困った。無料のメールアドレスを取得したが、ガラケーの友人にはメールが届かなかった。多くの人が迷惑メール対策で携帯メール以外は受信しないように設定しており、「一人ひとりに連絡して設定を変更してもらうのが大変だった」と言う。