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 ◆ 「大義見えない」「税金の無駄遣い」

 2年ぶりの衆院解散が近いと見られる中、現職や新顔の陣営は選挙準備を急いでいる。この動きを有権者はどう見ているのか。県内各地で声を聞くと、「なぜ解散をするのか」「税金の無駄遣いでは」などと、総選挙へ踏み切ろうとする安倍政権の動きを疑問視する意見が相次いだ。

 ◆ 「景気のため」理解も

 酒田市の主婦遠藤るみ子さん(61)は「物価は上がるし、景気も良くなった気がしない。震災復興だって道半ば。消費税もただ延期するだけ。解散する意味がわからない。一言でいえば『無駄遣い解散』」と指摘し、東根市の果樹園で働く武田駿さん(23)も「解散の理由がわからないし、そんな選挙に税金が使われるのは納得できない」と語った。

 山形市内の介護施設を利用している清野愛子さん(82)も「今は選挙をすべき時ではない」と話した。「国民が生活に苦しんでいる時に、まだ任期が2年も残っているのに、国民が一生懸命働いて納めた税金を選挙に使うのはおかしい」。その施設で働くパート職員の瀬野一美さん(33)は4人の子どもを育てている。「牛乳などの物価も上がり、消費税の税率アップもあって生活は大変になるばかり。テレビでも政治のニュースは腹が立つことが多いのであまり見ない」と話していた。

 解散・総選挙に理解を示す意見も見られた。新庄市で婦人服販売会社を経営する都市(と・いち)一郎さん(49)は「景気を上向きにするためにも長期政権は必要。このタイミングでの解散は良いのではないか」と話したうえで、「ある程度インフレになったとしても、今の経済対策は間違っていないと思う。野党は対案を示し、国民の理解を問うべきではないか」と語った。

 一方、遊佐町の稲作農業、三浦隆昭さん(67)は「複雑な心境だ」とこぼした。「安倍政権で農家に恩恵はなく、むしろ悪くなっている。自公政権に痛い思いをさせるリターンマッチ戦と考えることもできるが、(安倍首相も)勝算があって解散するのだろう。選挙後、農家はますます困窮し、農村が滅びていく様子が目に浮かぶ」。

 山形市で飲食店を営む斎藤正弘さん(48)は「今回の解散は『強者一人勝ち解散』。対抗勢力の結集が図られない中、安倍さんが政権を盤石にするために手を打った解散だ。選挙後に自民党が『国民の信を得た』と独走することが心配だ。国民のほとんどが、解散の大義がまったく見えないと感じていると思う」と指摘した。

 長井市のフォークグループ「影法師」メンバーの遠藤孝太郎さん(62)は「地方創生とか言っているうちに解散とは。このままでは何もしないうちに雲散霧消してしまうのではないかと心配だ。実績を積んでから解散してほしい」。さらに選挙戦を見据えて「野党も米価下落で揺れる農業政策など、ちゃんとした政策を打ち出して対抗軸を示すべきだ。そうでないと投票に行く気がしない」と語った。