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内閣府特命担当大臣 有村治子 -筋金入りの保守政治家が挑む「フェミニズム」

三河五朗=文 AFLO=写真
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内閣府特命担当大臣 有村治子(ありむら・はるこ)
1970年、石川県生まれ。「消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画・規制改革」を担当する。

女性政策を主導するのはリベラル派、というイメージを一転させる人事。有村氏は選択的夫婦別姓に反対し、中絶やジェンダーフリーに批判的、育児は母乳と主張する。靖国神社に毎年終戦記念日に参拝し、女性宮家に反対という筋金入り保守派だ。だが、全国統一のマタニティマーク制定を提案し、妊娠を機に仕事を辞めた女性の再就職を後押しする政策にも関わってきた。キャリアウーマンから専業主婦を経て仕事復帰し、議員在職中に出産も経験した。2児の母で、仕事と結婚、子育ての両立を語るうえで説得力がある。

桜田門外で井伊直弼を殺害した尊王攘夷派志士・有村次左衛門の弟の子孫。家系図の中には、東郷平八郎の名もある名門保守の家系に生まれた。米国留学を経て日本マクドナルドに就職、華僑系マレー人との結婚を機に退職。一介の主婦に飽き足らず大学院に入り直し、大学講師も務めていたとき、野田聖子・自民党議員に手紙を出したことがきっかけとなり、2001年に政界入りした。

夫が元外国人で先の大戦の日本の敵側戦没者遺族ということが一時物議をかもしたが、夫の日本国籍取得と夫婦で靖国に参拝する保守家庭ぶりで批判を克服。「すべての女性が才能を花開かせる国づくりを」と就任会見で語った。遊説中に母乳を宅配で夫に送り子育てするなど、キャリア・育児も完ぺきにこなした才能あふれる女性大臣が、普通の女性を輝かせる処方箋を編み出せるか。少子化対策、経済成長にもからむ保守のフェミニズムが試される。

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