衆院選:橋下市長演説「お世話になるかも」出馬におわす
毎日新聞 2014年11月15日 13時34分(最終更新 11月15日 20時04分)
大阪市の橋下徹市長(維新の党共同代表)は15日、衆院大阪3区内の大阪市住之江区の公園で街頭演説し、衆院解散・総選挙について、「場合によっては、この地域で特別にお世話にならなければいけない立場になる」と述べた。橋下氏は既に候補者ポスター用の写真撮影を終え、出馬に必要な事務手続きを進めている。
橋下氏が出馬の場合、松井一郎知事(維新幹事長)も知事を辞職して同時に出馬することも検討する。看板政策の大阪府・市を再編する「大阪都構想」を巡り、公明党と関係がこじれたことが背景にあり、橋下氏は衆院大阪3区、松井氏が同16区と、いずれも公明幹部が現職の選挙区での出馬を想定している。
市長任期を1年残しての辞任には、「投げ出し」との批判も予想される。地域政党・大阪維新の会の府議・市議の大勢は、都構想の実現に悪影響が出ると出馬に否定的なうえ、都構想を実現するための公明との水面下の交渉も続いており、実際に出馬に踏み切るかは流動的な面もある。
維新(当時は日本維新の会)は2012年の前回衆院選で都構想への協力と引き換えに公明と選挙協力したが、今年1月には都構想の区割り案の絞り込みを巡って決裂した。橋下氏はこの際の公明の対応を激しく非難した。都構想の協定書(設計図)議案は先月27日、府・市両議会で公明など野党の反対多数で否決された。
橋下氏は今月12日、記者団に「このままでは人生を終わらすことができない。やられたらやりかえす」と改めて公明との対決姿勢を示し、自身の衆院選出馬についても「いろいろ考える」として否定しなかった。【重石岳史、林由紀子】