衆院選:橋下氏が出馬示唆 週内に最終判断

毎日新聞 2014年11月16日 08時00分

 維新の党の橋下徹共同代表(大阪市長)は15日、大阪市内の街頭演説で、「大阪都構想実現のため、公明党の議席を奪うしかない。衆院選に勝ち、(大阪市長・知事の)ダブル選に勝つ」と話し、解散・総選挙になった場合、松井一郎幹事長(大阪府知事)と一緒に市長、知事を辞職して出馬し、後継を選ぶ両選挙の可能性に言及した。橋下氏らは公明党から協力を得るため水面下で交渉を続けているが、難航しており、状況は緊迫している。橋下氏は出馬について16日からの週内に最終判断する見通しを示した。

 橋下氏はこの日、市内3カ所で演説。解散・総選挙について、「今回の衆院選は大阪都構想を実現するため」と主張。「まだ決めたわけではない」とした上で「状況を打開しようと思えば、自分で道を切り開くしかない」と訴えた。

 2012年の前回衆院選で維新(当時は日本維新の会)は、都構想への協力を条件に、公明候補がいる大阪・兵庫の6選挙区に候補を擁立しなかった。その後、公明から都構想に協力を得られなくなった経緯について橋下氏はこの日、「手のひらを返され、許せない」と批判。「どうやって公明をこっちに向き合わせるか。大阪と兵庫(の議席)を奪う。市長も知事も辞めなければならない」と話し、衆院選と知事、市長のダブル選に勝った上で、「(来年4月の)統一地方選(府議選・市議選)に勝つ。その状態になって公明党と協議したい。判断は来週させてもらいたい」と語った。

 橋下氏は、公明大阪府本部代表の佐藤茂樹氏が現職の衆院大阪3区、松井氏は公明副代表の北側一雄氏の同16区からの出馬を想定している。出馬した場合、市長、知事とも任期を1年残しての辞任になる。橋下氏は市長を辞職して3月の出直し選で再選されたばかりで、批判も強まりそうだ。

 公明府本部幹部は橋下氏のこの日の発言を受け、「(大阪府市両議会で)都構想の議案を否決した重みは大きい。真っ向勝負だ」と対決姿勢を鮮明にした。【林由紀子、重石岳史、松井聡】

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