いつか朝日が昇るまで

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「レールの外ってこんな景色」を読んでみたという話

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よく知っている若手ブロガーの皆さんがKindle本を出したと聞いたので、早速購入してみた。ただこの中で会ったこともあり、ブログも読んだことがあるのはけいろーさんとツベルクリンさん。会ったことはないけれどブログも読んでいるし、ツイキャスも聞いているのは池田仮名さん。そして何よりもこの方たちは私と同じはてなでブログを書いている。だから私はこの3人についてのみ感想を書きたいと思う。なぜなら他の人の文章を読んでも、この3人の文章以上に読もうとは思わないし、それ以上の情熱を持って批評できないからだ。あらかじめご了承頂きたい。

 

けいろーさん


ぐるりみち。

 
けいろー (id:ornith) さんには以下のように「忌憚ないツッコミ,お待ちしております」と言われたので、忌憚ない意見を述べたいと思う。
 

 

けいろーさんの文章はとても優しい。そしてふわふわしていてどこか心地良さを感じる。しかし反面それは毒がないとも言える。だからイケダハヤト氏に以下のように言われてしまう。
 
「けいろ ーさんの記事からは 、彼の誠実性がよく伝わってきます 。が 、正直申し上げれば 、どこか弱気な感じもします 。その弱さと優しさが魅力でもありますが 、あと一歩 、真人間の道を踏み外すと化け物のようなブロガ ーに変貌するのでは 、と遠く高知から期待しております 。」

 

確かに毒はないのだけれども,それが果たして彼の短所なのかといえばそれは違う。実際にはそれは彼の良さであり、無理にそれを変える必要などない。人生の目的はレールを外れることではない。たとえレールを外れたとしても別のレールを走っているに過ぎない。重要なのはどうレールを走るかなのである。

 

時に彼のブログを読んでいるとどこに向かっているのか分からない時がある。おそらく本人も分かっていない(笑)。最後まで読んでも明確な結論がないこともある。私が最近経路ーさんが唯一狙っているなと思ったのは以下の記事だけであり,これは例外である。


SEO?なにそれおいしいの? - ぐるりみち。

 

こうしたブログを書く人だから、本で書かれている人生観もそんな感じで、どの駅で降りるか目的地を決めぬまま、ただ列車に飛び乗って旅をしているかのようだ。こうした人生観で、このような文章を書く人間は世の中に早々いるものではない。今選んだレールを変えてまでして「化け物ブロガー」などになる必要はない。

 

むしろこうした生き方をしている人は変わることよりも変わらないことの方が難しい。けいろーさんはまだ若い。だから周囲も社会も目的もなく電車に乗り込むことを許してくれる。しかし、それが30代、40代になるとそうはいかない。周りはどこに向かっているのか聞きたがる。目的地を決めたがる。結婚もするかもしれない。子供も出来るかもしれない。そんな中でも変わらないけいろーさんを私は見たい。そして10年後、ネットのどこかで「まだ旅してるんですよ」と言ってほしいと思う。それが私の希望である。

 

ツベルクリンさん


自省log

 

ツベルクリン良平 (id:juverk)さんはブログで表現している内容と本の内容が違いすぎるとまず言われるのは確実だ。ただ実際に会うとこうした文章を書く人だなあと良く分かる。ツベルクリンさんの場合,以下のツイートをふぁぼしてくれただけであるが,ここは構わずツッコムことにする。

 

 

この本でツベルクリンさんが言いたいことはとてもシンプルだ。

 

「前だけ見続ければ人生は最高に明るく,あなたの人生はあなたの思う通りになる」

 

こうした主張そのものは素晴らしい。しかし,その前段階で「自分は失敗ばかりしてきた人間」「毎日何も考えずただボーっと生きる単なる愚図な人間」などと長々と書いていて,その最後のメッセージよりもこっちの方に目が行ってしまう。「いやいやあなたは愚図ではない」とか「俺の方が失敗している」など,ツベルクリンさんが言いたいことと読まれる部分がずれてしまっている気がする。

 

こうした問題はとても難しく,本人にとって挫折,失敗であったと思えることも今,ブログを書き,本まで出せるという現実を前提に見られてしまうと「でも幸せだよね」「結局良かったじゃん」で終わってしまう。私も以下のような記事を書いて実感した。

 

挫折続きで自分の人生を呪った10代,20代 - いつか朝日が昇るまで

 

だからツベルクリンさんの場合,自分の失敗歴など書き連ねなくともあのブログのスタイルで,前向きに生きているところを世の中に示しているんだから良いではないと思う。正直内容は自分にはよく分からない。ネジなんて興味がない。


仕事や人生に疲れた時こそ眺めて欲しいネジ 163選 - 自省log

 

しかしこれを読んだ後,クスッと笑える。「こんなバカなことを考えている人がいるんだ」と自分も救われた気分になる。本人にはそんなこと思ってないかもしれないが,読者の中にはそう感じている人もいるので,自省ブログ,これからも続けてほしいと思うし,それこそがツベルクリンさんのスタイルだと思う。

 

最後に私の記事の呼びかけに以下のようにブクマしてくれたので,それをさらしてツベルクリン良平 (id:juverk)さんの項目は終わりにする。とても人柄が表れていて,ネタに使った自分が申し訳なくなった。すいません。

 

ちなみに私の評価は以下の三沢文也 (id:TM2501)さんのオフ会で得られました。以下,そこでツベルクリン良平 (id:juverk)さんとの間でなされた自己紹介の際の会話です。

 

私:「私,一回も就職したことがなくて,バイト歴約20年なんです」

ツベルクリン良平 (id:juverk)さん:「すごいですね」(真顔)

 

私の評価は「すごい」ということです。理由は定かではありません。

 

バイト歴20年だから「評価経済」について考えたという話 - いつか朝日が昇るまで

 

バイト歴20年だから「評価経済」について考えたという話 - いつか朝日が昇るまで

幼少期から大人に「就職して一生過ごすのが普通でそれ以外はクズ」とクッソ狭い価値観を教え込まれていて、ずっと疑問に思っていたので、気づいたらそんな感想を述べていました。めちゃすごいと思ってます。マジで。

2014/11/07 14:18


幼少期から大人に「就職して一生過ごすのが普通でそれ以外はクズ」とクッソ狭い価値観を教え込まれていて、ずっと疑問に思っていたので、気づいたらそんな感想を述べていました。めちゃすごいと思ってます。マジで。 - juverk のコメント / はてなブックマーク

 

池田仮名さん


太陽がまぶしかったから

 

池田仮名 (id:bulldra)さんには会ったことはないけれども,ブログも読んでいるし,ツイッターでのやり取りもあるし,ツイキャスも聞いているので,すっかり自分は会った気分でいる。出版前のツイキャスで自分は場違いではないかととても気にしていたけど,確かにいい意味で異色の存在である。本人も「何で自分が…」と言っていたし,私も若手が書いた本だと思っていて池田さんも20代だと思っていたのだけど,実は30代でこっちの仲間じゃないかなどと喜んで申し訳でありません。池田さんにはツッコミ許可をもらっていないけど,まあ良いでしょう。

 

それで池田さんが書いた箇所はまさに「はてな村」についてだ。でも最近の活動はその村から外に出て「観光客」になろうと考えているようだ。でも私は知っている,池田さんはそんなミーハーにネット社会を生きることなんてできないことを。

 

池田さんのブログに対する思いって絶対に5%に留まっていない。もっと熱い思いがあるし,そういうのがかつての記事の方が伝わってきた。最近の記事は意識的にそうした感情を抑えて書いている,もしくはそうしたテーマを選んで書いているようだが,ツイキャス聞くとその熱い思いがとてもよく伝わる。そういう思いがなければ増田とやりあうこともないだろう。以下の記事を読んで本当にそう思った。


ブログは大切でないから破滅的になれるが破滅的になれる限りにおいては大切である - 太陽がまぶしかったから

 

そんな池田さんを知っている身としては以下のイケダハヤト氏の評価は何なんだと思う。

いいですねー。この中では異色の文体と内容です。揶揄するわけではないですが,文体から「はてな村民」という感じが漂ってきます。 

 

そうではない。それが池田さんの表現方法なんだと思う。そこにはてな村そのものが関係しているわけではない。そういう意味では「観光客」になりうるけれども,でもやっぱりはてな村に戻ってくるのだろう。きっと池田さんは手斧も含め,もっと密なつながりを求めているように思えるから。

 

池田さんはこの本が出版される前,「自分はただの会社員だし…」と言っていた。しかし,今回の企画は「レールの外」の話である。私のようにバイトしかしてこなかった人間にとっては池田さんは「レールの外」にいる人間だ。私の知らない世界をたくさん知っている。そんな世界をもっとたくさん伝えてほしい。「観光客」ではなく「はてな村民」として。

 

最後に

とりあえず夏休みの読者感想文のように気の向くままに書き連ねてみた。きっとぜろすけ (id:zeromoon0)さんに採点されたらかなり低い点数になってしまうことだろう。


あの「採点」された記事の話 - 無要の葉

 

ただ今回,私はとても楽しく皆さんの文章を読んだ。かつて大学院の博士課程に所属していた時に,20代の学生のゼミで所見を述べるなんてこともやっていて,その時の思いがふと蘇ってきた。そんな気分を味あわせてくれたこの本と三人の著者の方にはお礼を述べたい。ありがとう。そしてこれからもよろしく。そんな熱い思いを胸に,私は深夜12時を回ったけれども論文を直すことしよう。みなさんに負けないように(公開は朝になってしまいました…)。

 

 

レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方

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