未曽有の大災害となった東日本大震災。被災地は、さまざまな課題を抱えながらも、復興への一歩を歩み出しています。
震災の瞬間、人々は何を考えどう行動したのか、それを克明に語る証言の数々。今、被災地の人たちはどのような困難に直面し、何が必要なのか。苦しい中で復興をめざす人々をサポートしようと東北に赴く専門家たち。日本を愛し、被災地を励まし、手を差しのべようとする海外の著名人たち。こうした多角的なアングルで、復興への道のりをお伝えします。
2014年11月16日(日)午前10時05分~10時53分
津波は、岩手県釜石地方森林組合の事務所を破壊し、組合長をはじめとする主要メンバー5名の命を奪った。最大の卸先であった合板工場も壊滅的な被害を受け、組合は閉鎖の危機に見舞われた。この状況から組合を復活させた男がいる、参事の高橋幸男だ。「津波で家を失った人々に、地元の木で作る良質な家を安価で提供したい」と考えた高橋は、これまで節があるなど見た目が悪く商品にされてこなかった木材を使い、1千万円という破格で家を建てる前代未聞のプロジェクトを立ち上げる。設計事務所、製材所、木材加工業者を懸命に説得する高橋。しかし、最終的に家を建てる工務店の理解が広がらずプロジェクトはなかなか進まない。そこで高橋は一計を案じ秘策を繰り出す。“森のチカラ”で町の復興に取り組もうという人々の情熱を伝える。