―患者と接する際に先生が心がけておられることは何でしょう?
当院は言いたいことが言える風通しの良い雰囲気のクリニックです。患者さんも気兼ねなく言いたいことが言えて、聞きたいことが聞けるクリニックでありたいと考えています。インプラントに自信があるからといって、ただインプラントをきれいに埋めて終わりでは意味がありません。私と出会ったことで、その人が健康で長生きして、治療後は歯なんて全然悪くならない生活を送っていただくことの方が大事なのです。患者さんにとって、きれいな歯を手に入れると同時に、健康で人生を楽しく前向きに生きる。そんな考え方に変わるきっかけになるドクターになることが、私の一番の目標です。例えば、当院では血液検査から一人ひとりに合った食事指導も長年続けています。血液の状態を見ればその方の食生活は一目瞭然ですから、食生活の指導や運動のアドバイス、必要に応じてサプリメント摂取の助言も行います。
―お忙しい毎日ですが、休日はどのように過ごされていますか?
子供と遊ぶことが一番の息抜きです。一番下の息子が顔も性格も笑っちゃうぐらい私にそっくりで(笑)。やんちゃなところもよく似ていて、「まさに生き写しだね」と妻と話しています。趣味は世界的指揮者で、「炎のコバケン」こと小林研一郎さんが指揮するオーケストラの演奏を聞きに行くことです。まだ彼が無名の頃から、ずっと追っかけています。コバケンの第九を初めて聞いて、「なんてすごい指揮者がいるんだ」と感動したのが20歳の頃ですから、もう長年追いかけていますね(笑)。数ある演奏の中でも、大学6年生の頃、京都まで追いかけて聞いた演奏が今でも忘れられません。実は会場でお子さんが泣いてしまい、一時演奏が中断するハプニングがありました。コバケンも憤慨しているような、異様な雰囲気に会場は包まれていました。しかし、そこからオーケストラが一体となって必死で演奏したら、彼も熱くなってきて、クライマックスではこんなすごい演奏は聞いたことがないぐらいの名演で、最後はブラボーの嵐。会場全体が揺れていました。あの日、あの場にいられたことは私の永遠の財産であり、生涯忘れられない思い出です。
―今後の目標をお聞かせください。
将来は私が育てた有能な弟子にクリニックを譲りたいと考えています。手術もインプラントも、私を超える人材の育成に力を注いでいきたいですね。そう言いながら、私自身は120歳まで現役歯科医師でいたいという目標があります(笑)。手術は80歳ぐらいで引退せざるを得ないでしょうが、入れ歯ならできます。いよいよメスを置く日が来たら、総入れ歯専門のドクターとして、妻と二人で全国を回りながら、120歳まで現役で治療を続けることが夢です。若い先生が「今話題の、入れ歯治療で全国を回っているあの有名な先生は、実は日本のインプラントのパイオニアだよ」って、話のネタにしてくれたら面白いなと思います(笑)。もう一つの夢は、仲の良い先生たちと後輩の歯科医師を叱咤激励する“いじわる爺さん”になることです。「俺を抜きたければ5倍、10倍勉強しろ!」とお尻を叩いて回るような、口うるさい爺さん先生になって後輩を熱く指導したいですね。
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