人材交流センターの担当者は「昨年11月から45歳以上の職員を対象に早期退職募集制度が始まった。民間への開放はより透明性を確保するための措置。民間に業務を委託することで、国の再就職への関与は薄まる」と説明するが、パソナは業務委託によって今年度に1億2960万円の予算を手にするほか、大きなビジネスチャンスが転がり込む。
「国家公務員の数は現在、約63万人。早期退職が定着すれば転職希望の公務員は数万人規模まで膨らむ可能性があります。通常、転職が実現すると、それを仲介する人材派遣業者には転職先の企業から、転職者の年収の30%前後が報酬として支払われます。仮に年収1000万円の官僚が1万人転職に成功すれば、業者の取り分は約300億円。かなりの市場規模だし、独占受注ならなおさらです」(人材派遣業関係者)
パソナが公務員改革に伴う“利権”を手にするのは偶然なのか。安倍はなぜ、「雇用の流動化」の美名の下、派遣法の見直しや解雇規制の緩和など派遣業界が潤う政策にシャカリキなのか。ASKAの覚醒剤事件は思わぬところに波及しつつある。