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インチキ表示しても罰金は1000円あたり30円だけ―― 消費者庁が悪徳企業に配慮して“違反促進”課徴金制度を策定
7月21日に措置命令がでた「飲むだけ簡単!脂肪燃焼専用サプリ トリプルバーナー」、一箱(1か月分)9800円。課徴金制度が導入されても、一箱当たり294円の罰金で済むため効果はなさそうである。

 消費者保護が進む米国とは異なり、企業利益を優先する日本では、根拠のないインチキな表示をつけて製品を販売しても、後から訂正すれば企業側に何のお咎めもなく、不当な利益が企業のものとなってしまう。そして、だまされた消費者は泣き寝入りするしかない。そうした不公正な状況を是正するため重い腰を上げた消費者庁は、景表法違反への罰金にあたる「課徴金」制度案を作成し、8月26日に国民への意見募集を開始した。しかし、企業側へと過度に配慮した案となっており、課徴金の上限は、一律で販売価格の3%だ。1000円の商品なら罰金は30円だけなので、不正表示をして3%超を価格に上乗せした高利益率の商品を売るほうが断然、儲かってしまう。罰金が上限3%と確定するため、むしろ悪徳企業が、安心してインチキ表示を活発化しかねない。また、罰金額相当を消費者に返金すれば、それ以外はすべて免除だという。「30円だけ返金します」と言われて納得する消費者がいるはずもなく「バカにするな」と怒るのが普通だが、消費者庁は消費者の立場では考えない。一方の米国では、州の司法長官など行政機関が、まず消費者の被害回復に必要な額を決めて課徴金などを回収する仕組みとなっており、企業に巨額のペナルティーが課される。日米の雲泥の差を報告する。

【Digest】
◇あの「トマ美ちゃん」も3000円中90円の罰金でOK
◇悪質企業には偽装表示促進の可能性も
◇「法案成立を優先させ事業者に甘くなった点はある」消費者庁
◇被害者救済第一のアメリカ 事業者配慮の日本

 ホテルメニューのエビや牛肉の偽装表示や、健康食品、健康志向の商品のインチキ効能表示を取り締まるのが日本の景品表示法であるが、現状の法律には、そうした虚偽表示で得た利益を没収する条項が全くない。

 違反とされた事業者は、表示を訂正するだけで済む、という「不正やり得」な制度だ。 

 今まで、MyNewsJapanでも景表法違反のインチキ表示事件を記事にしてきた。

 「インチキ・シェイプアップ効果のリーボック『イージートーン』、島谷ひとみも騙されたウソ広告で販売続く」

 「『トマ美ちゃん』だけじゃない!効かない上に危険な最悪サプリ 1位富士フイルム『メタバリア』、2位DHC『フォースコリー』」

 「偽装メニュー対応で分かったホテル信用度 ワーストは近鉄系『奈良 万葉若草の宿 三笠』主要30社調査」

罰金制度が無いという問題点をコメントした筆者。
 飲むだけで痩せるという宣伝文句のサプリ「夜スリムトマ美ちゃん」が措置命令を受けた時には、筆者はテレビ朝日「モーニングバード」で、「アメリカでは違法表示で得た利益を没収する制度があるのに対して、日本では違法表示を改めれば罰金は無いので、再発抑止効果が無い」という問題点を指摘した。

 昨年には有名ホテルをはじめとするメニューの偽装表示問題が大々的に報道されたこともあり、消費者庁はこの8月26日、虚偽表示によって得た利益を没収するための罰金として「課徴金」を導入する制度案を作成して公表し、国民への意見募集を行った。

課徴金制度自体の導入は、すでに決定済みで、今年7月2日に施行された景表法改正で「1年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする」となっており、スケジュール的には9月下旬には閣議決定して、秋の臨時国会に上程し、法案成立予定。

景表法違反の課徴金制度案
 課徴金制度自体はぜひ実現すべきものだと思う。事業者の虚偽表示の抑止効果と、消費者の被害救済という点からも望ましい。だが、8月26日に示された制度案には、問題が多い。

◇あの「トマ美ちゃん」も3000円中90円の罰金でOK
 一番の問題は、罰金である課徴金の算定を、一律に商品の販売額の3%に設定してしまった点だ。1000円の商品の場合、30円でよいことになる。

 「トマ美ちゃん」は一箱3000円で売られていたので、90円払えばよいということだ。詳しくは後述するが、今回の改正案では、企業の自主的返金を促すため、課徴金相当額以上を自主的に返金すれば、課徴金の支払いが免除される、という制度もある。

 しかし、3000円の内90円返金しますと言われて納得する人がいるだろうか?「バカにするな」と怒り出す人が大半だと思う。

 なぜ3%だけなのかという点について、消費者庁はこう説明する。課徴金の趣旨は、.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



筆者が出したパブコメ意見
アメリカのケースで、全額被害回復をさせたケース。

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匿名希望  13:45 09/20 2014
労働者保護が進む米国とは異なり・・・という感じで、求人広告についての記事もぜひ見たいものです。